BMW X7やメルセデス・ベンツGLSに対し技術不足なし アウディQ7 TDIクワトロ(2) 見事な静けさのV6ディーゼル

公開 : 2026.08.20 18:10

大型7シーターSUVのアウディQ7が3代目へフルモデルチェンジ。大人も座れる3列目シートや、大型・高級モデルらしく堂々・悠々の走りが特徴ですが、見た目の好みは分かれるかもしれません。UK編集部が試乗します。

大型・高級SUVらしく堂々・悠々

2026年では珍しいことに、ディーゼルエンジン版から英国導入が始まる、新しいアウディQ7。3.0L V6ターボに、電圧48Vのシステムを組み合わせたマイルドハイブリッドで、299psの最高出力と64.1kg-mの最大トルクが主張される。

トランスミッションは、トルクコンバータ式の8速オートマティックで、クワトロを名乗る四輪駆動。アダプティブ・エアサスペンションや後輪操舵システムは、標準装備とのこと。BMW X7メルセデス・ベンツ GLSとの競争に備えて、技術に不足はない。

アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)
アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)

発進させてみると、大型・高級SUVらしく堂々・悠々。揺るぎない落ち着き感と力強さで、先を急げる。ディーゼルエンジンは見事な静けさで回り、鋭い加速を求めない限り存在感は殆どない。ターボラグを埋める、電動コンプレッサーも実装されている。

一時的にエンジンが停止し、電圧48Vの電動システムだけで走行する場面もある。その移行も、殆ど感じさせない。

アダプティブ・エアサスで乗り心地は概ね優秀

スポーツ・モードを選べば、たくましいディーゼルターボを活かした走りが可能。0-100km/h加速は6.5秒で、サイズを考えれば不満ない鋭さだろう。四輪駆動とLSDも協働し、余裕はあるものの過剰ではない、好ましいバランスにある。

エフィシェンシーやコンフォート・モード時は、早めにシフトアップしたがるが、8速ATの変速はシームレス。気になる場合は、シフトパドルでマニュアル操作できる。

アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)
アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)

試乗車は23インチと巨大なアルミホイールを履いていたが、アダプティブ・エアサスの効果で、乗り心地は概ね優秀。大きめの段差などでは多少の突き上げ感を伴うものの、それ以外は至って平滑で、高速域での安定性にも唸る。

予想しやすい操舵感に高速道路での洗練性

路面からのフィードバックは殆どなくても、ステアリングは反応を予想しやすく正確。後輪操舵システムが備わり、360度カメラ映像も活用すれば、狭い駐車場などでの緊張感は想像より抑えられる。全幅は2mを超えるが、最小回転直径は10.95mとのこと。

大きく重いSUVであるものの、速度域の高いカーブでも旋回性はニュートラル。安心感を抱きやすい。また、高速道路での洗練性も素晴らしい。車重を完全に包み隠すような身のこなしではなく、運転の楽しさで勝るライバルは存在するが。

アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)
アウディQ7 TDIクワトロ・フォアシュプルング(欧州仕様)

オフロード性能も、2代目より引き上げられたそうだ。実際は、悪路以上に狭い市街地での運転のしやすさが、重視されるとしても。牽引重量は、最大3.5tまで。立派なキャンピングトレーラーを、苦もなく引っ張れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    2006年より自動車ジャーナリストとして活躍している。AUTOCARを含む複数の自動車専門誌で編集者を歴任した後、フリーランスとして活動を開始し、多くの媒体で執筆を続けている。得意分野はEV、ハイブリッド、お菓子。2020年からは欧州カー・オブ・ザ・イヤーの審査員も務める。1992年式のメルセデス・ベンツ300SL 24Vの誇り高きオーナーでもある。これまで運転した中で最高のクルマは、2008年のフォード・フィエスタSTとアルピーヌA110。どちらも別格だ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アウディQ7 TDIクワトロの前後関係

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