ベルギーの濃いオークション「ボナムス・ザウテ・セール」

最終更新日:2017.10.29

今回のオークション・リザルトは、仏独に挟まれた国「ベルギー」の濃いオークションです。ボナムス・ザウテ・セールを解読してみましょう。

■もくじ

どんなオークション
「ボナムス・ザウテ・セール」とは
ポイント1 仏独に挟まれた国 ベルギー

どんな車両が出品?
ポイント2 少数の出品ながら内容は濃厚
ポイント3 意外なモデルが最高値
ポイント4 価値あるものは高値に BMW Z8は注目株

流札? 落札? リザルト一覧
「ボナムス・ザウテ・セール」リザルト一覧

どんなオークション?

「ボナムス・ザウテ・セール」とは

●2017.10.07 「ボナムス・ザウテ・セール」
9月のシャンティイ・セールからお休みだったボナムスだが、10月に入るとベルギーのヒストリックカーイベントであるザウテ・グランプリ内でオークションを開催した。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: BONHAMS

ポイント1 仏独に挟まれた国 ベルギー

自国にクルマのメーカーが無いベルギーだが、フランスとドイツに挟まれるロケーションからクルマ文化のレベルは高い。当然ヒストリックカーにも理解が深く、数々のイベントが各地で開かれている。そのひとつで人気の高い存在がザウテ・グランプリだ。ベルギー北部のイギリス海峡に面したクノック・ヘイスト市のザウテで開かれるヒストリックカーイベントで、レギュラリティ・ラリーとコンクール・デレガンスを中心に、そのプログラムのひとつとしてボナムス・ザウテ・セールが今年も開催された。

ポイント2 少数の出品ながら内容は濃厚


ザウテ・セールは例年マニアックな車両が用意されることで知られており、今年もその例に違わずコレクターを唸らせる車両とベルギーゆかりのオートモビリアが用意された。イベント内のオークションという関係で、スペースが限られるため並ぶのは31台と少ないが、様々なファンを満足させるラインナップが入札者を出迎えた。恒例となっていた隣国オランダの連邦警察で使用されていたポルシェのパトカーの出品だが、今年は残念ながらその姿は無かった。

ポイント3 意外なモデルが最高値


ここで最高落札額を記録したのは、意外な存在の2017年モデルのメルセデス・ベンツ-マイバッハG650ランドレーの1億5960万円だった。マイバッハ初のGクラスとして99台限定で今年発表されたもので、その内の1台がメルセデス・ベンツからチャリティ用として提供されたもの。落札後に正式オーダーするため、オークションではシャシーナンバーが未定となるが、その好意に応えるように入札が進んで落札された。

トップ6を振り返ってみると、
・メルセデス・ベンツ-マイバッハG650ランドレー(1億5960万円)
・1968年フェラーリ365GTC(1億0707万円)
・1993年ジャガーXJ220(5201万円)
・1957年ポルシェ356A1600スピードスター(5201万円)
・2000年BMW Z8ロードスター・ハードトップ付き(4207万円)
・1965年ジャガーE-タイプ・シリーズ1 4.2Lロードスター(3335万円)
というマニアックなモデルが上位を占めた。

ポイント4 価値あるものは高値に BMW Z8は注目株

フェラーリ365GTCは新記録となる1億707万円で落札されたのがニュースだ。一方で最近落ち着いてきた365GTB/4デイトナだが、ここでも入札が続かず流れている。このほか、あまりオークションに出てこないXJ220は希少なのだが今ひとつ伸びず5201万円で終えてしまった。またBMW Z8はジワジワと値を上げつつあることにも注目したい。価値の高いモデルは正しく評価されるが、それなりのクルマはそれなりの額で終える傾向がここでも見える。

かつてベルギーにはフェラーリ社と親密な関係にあったジャックスワター氏が率いるガレージ・フランコルシャンが存在したこともあり、同社とフェラーリ関係のオートモビリアが並んだこともベルギーのオークションならではといえよう。


このオークションは出品台数が少ないことから、そのすべての写真をご覧いただこう。

関連テーマ