205GTI vs フォーカスRS vs メガーヌ・トロフィーR vs シビックR vs ゴルフGTI 前編

公開 : 2018.02.09 11:50  更新 : 2018.02.09 11:59


軽さの正義と楽しさを教える205

プジョーの舞台設定は、ウェールズをさっと横切って山のランデブーポイントまでにしよう。周りのことは気にせずに、このプジョーに何が欠けているのか、わたしはちょっと考えたいのだ。それに関するいいかげんな記事が山ほど書かれているので(わたしが書いたものも多く含まれているが)、少しバランスを取ったほうがいいと思うのだ。

まず、爪楊枝のようなAピラーを一瞥すれば、ぜったいクラッシュはしたくないと思うだろう。次に、インテリアは見かけよりずっと薄っぺらだ。もはや直線でもそんなに速いとは感じない。ブレーキもそんな性能に見合ったものだ。それ以上ではない。実際、非常に優れている点はふたつだけ。このサイズのクルマとしては例外的に広く実用的なことと、よほどのことがなければ運転席を誰にも譲りたくないことだ。

飽くなき熱狂とでもいうべきものが、有無を言わせない不思議な魅力となっている。急カーブを抜け、背中をスロットルで蹴っ飛ばされ、ファミリーサイズのスナック菓子程度の重さしかないようなクルマでなければ得られない感覚をじっくり味わえば、もう堪らない。これでなにも感じなかったなら、それはクルマが悪いのでも、走る道を間違えたのでもない。あなたの趣味にあわなかった、というだけのことだ。

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