長期テスト トヨタ・ミライ(1) 水素燃料電池車「ふたつの見方」

公開 : 2018.03.13 17:10  更新 : 2021.01.28 18:23

ミライを長期テストする理由

イギリスにほんのわずかな台数しかないミライをなぜ長期テスト車に迎えたかといえば、プリウスがハイブリッドで成し遂げたことをミライが再現するというトヨタのお偉方の言い分がいかほどのものか、それを見きわめるためだ。

思えば、1997年にデビューした初代プリウスという変わり種は、発売されたとたんに次々と不可解な注文を突きつけられた。サスペンションがドタバタするとか、スタイルがまるでジャガイモだ、などは言うまでもない。その頃は買ってみようなどとは思いもよらなかっただろう。

しかし2003年頃には売れはじめ、そして伸びていった。いまやプリウスの累計販売は世界で1000万台に達し、一方でトヨタの役員はミライが同じ道をたどるだろうと主張しはじめている。

そういうクルマが、おまけにこれだけ未来的な風貌とあれば、もっと深く知りたくならない方がおかしい。

ミライを長期テストに供したいと申し出て、ゴーサインが出たのはクリスマスも近い頃だった。トヨタの販売責任者ジョン・ハントが多忙な中、1日を割いてHFCVの手ほどきをしてくれた。彼は従来からのトヨタ車を法人向けに量販する立場だが、自身はHFCVにぞっこんなのだ。

ジョン・ハントによれば、購入するには6万1500ポンド(893万円)の価格を支払う必要があるし、燃料費込みプランの月額750ポンド(10万9000円)もたぶん支払うことになるとのこと。

ご存じのとおりミライは700気圧の圧縮水素を60ℓの燃料タンクに収めるが、その重量は満タンでも5kgにすぎない。同じ60ℓで40kgにもなるガソリンとは大違いだ。

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