ロータスの救世主 初代エリーゼ 「1km走れば恋に落ちる」後編

公開 : 2018.05.06 20:10

中古購入 事故歴に注意

エリーゼは、驚くほど俊敏に停車するし、走りも、旋回性も、乗り心地も、なに一つ犠牲にしていない。サスペンションはしっかりしていて、決して硬すぎることもなく、優しく感じられる場面さえある。“稲妻” とまでは言えないシフティング、突然発生するオーバーステアだけが玉に瑕であろうか。しかしながら、エキサイティングな速度と慎重な速度との間に収まっている限り、問題に遭遇することは決してない。ただし、重量の60%が後輪に掛かるのだから、不注意な真似をすれば、高価な代償を支払う義務がある。


実際のところ、エリーゼを購入する際に最も気を付けるべき点は事故歴だ。「シャシーに問題のあるクルマはあきらめて下さい」と、スペシャリストのポール・マティは話している。「フロントやリアの外装なら交換できますが、シャシー自体は修復できません。リフトアップして、アンダートレイを外して点検することが不可欠です」

エリーゼは耐久性があり、工学的にも優れたクルマなのだが、特有の弱点もある。競技で酷使されたのに部品を適切に交換しなかった個体の場合、サスペンション、ボールジョイント、ホイールベアリング、ステアリングラックのいずれも損傷しているケースがある。「あらゆる部品が、軽量かつデリケートにできています。そのため、様々な部品が磨耗してしまうのです」
 

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