ホンダ・エンジンにカーボンボディ HPE SV R500(1) シャシー以外は別モノのロータス・エリーゼ
公開 : 2026.01.27 18:05
アルミ製シャシー以外は別モノのエリーゼ、SV R500 334psを生成し1万rpmまで回るホンダのK20 S1とまったく異なる世界観 求められる操り手の本気度や技術度 UK編集部が渾身試乗
アルミ製シャシー以外は別モノのエリーゼ
「R500を、運転が怖いクルマだと表現したくはありません。でも、最初は怖いかも」。真剣な表情で口にするのは、HPE社を率いるダン・ウェブスター氏だ。
彼は、刑務所の設計に関わっていた元建築家。ロータス・エリーゼでレースを経験した後、ハイ・パフォーマンス・エンジニアリング社を創業している。当初はエンジンのチューニングガレージといえたが、独自のレストモッド・モデルを生み出すに至った。

この黒光りするスペシャル・ヴィークル(SV)R500は、大枠ではエリーゼと呼べなくない。だが、実際はシルエット・レーサーに近いといった方が正しいだろう。
押出成形材のアルミニウム製シャシーはベース車から利用するものの、それ以外はほぼ別のコンポーネントで構成されている。ウインドウはポリカーボネイト製で、ロールケージがカーボン製サイドシルから突き出ている。それでも、公道は走行できる。
334psを生成し1万rpmまで回るホンダのK20
アンチロールバーにはブレードが備わり、負荷に応じて強度が変わる。これだけで、操縦特性は変化する。ヒューズやリレーは、独自開発の電子システムへ置換。エンジンに実装される多数のセンサーも、一元管理されている。
ブレーキはカーボンディスクで、2基のマスターシリンダーが備わる。ボールジョイントで結ばれるサスペンションも、新設計だ。

ミドシップされるのは、334psを生成し1万rpmまで回るように手が加えられた、ホンダのK20自然吸気ユニット。排気音は凄まじく、耳栓必須なほど。ボディはカーボンファイバーで新しく焼成され、1台分の重さは5kgしかない。
ロータスの技術者がタイヤ4本のドゥカティを作るべく、開発作業を始めたのは1994年。そのロータス・エリーゼ S1より、車重は70kgほど軽い620kgとのこと。オリジナル以上に、スーパーバイクへ近いことは間違いない。
ツーリングカーレーサー風ディフューザー
息を呑むようなコンセプトで仕上げられたクルマながら、ガレージに佇む姿は控えめ。ボディは官能的にうねり、違いを主張するようなアイテムは一見するとない。ボディはセミグロスのブラックで、試作マシンのよう。リアウイングもない。
しかし、ナイトロン社製の調整式コイルオーバーキットが組まれ、通常のエリーゼ S1より車高は60mm低い。リアバンパーからは、ツーリングカー・レーサーのような巨大なディフューザーが突き出ている。その上の、チタン製エグゾーストも凄みを利かせる。

エリーゼ S1は無駄なく作り込まれ、下手に改造すると動的能力を悪化させることになるが、その可能性は低いだろう。筆者が試乗する前、ウェブスターがサーキットでデモ走行してくれたが、極めて流暢に周回していたからだ。
才能のあるドライバーは、ジャジャ馬でも驚くほど滑らかに走らせることができる。だが、スリップとグリップの間の世界で、活き活きと駆け抜けているように思えた。



















































































































































