現地ルポ、ディーゼル不正 VWグループの苦境続く 業界全体への影響も

公開 : 2018.07.29 12:10

その他の逮捕者

シュタートラー逮捕の翌日、フォルクスワーゲングループのエンジン部門責任者だったウォルフガング・ハッツが、ディーゼルゲートに関連して収監されていたドイツ国内の拘置所から9カ月ぶりに釈放された。彼に対する訴追は行われておらず、保釈に際して260万ポンド(3億8300万円)が支払われた。ドイツ訴訟法は、特別な場合には、審理なしで被疑者を6カ月以上拘束することを認めており、シュタートラー同様、ハッツも捜査に対する影響が懸念されたため、拘束が続いていたものと考えられている。

一方、米国ではさらに多くが身柄を拘束されている。昨年、米国におけるフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン性能に関する責任者だったジェームズ・リアンは、禁固40カ月と20万ドル(15万1140ポンド/2200万円)の判決を受けた。

さらに、フォルクスワーゲンの環境及びエンジニアリングオフィスの部長を務めていたオリバー・シュミットは禁固7年の量刑を受けている。

この4月にフォルクスワーゲングループCEOに就任したばかりのディースだが、フォルクスワーゲングループが電動化の新たな時代へと進んでいこうとしているなか、自身と会社を、この問題から出来るだけ遠ざけようとしつつ、ひとびとがこの排ガス不正問題を一刻も早く忘れ去ることを願っている。

5月に行われたグループ年次総会において、ディースはこの問題を「痛みをともなった重要な転機」と呼び、「フォルクスワーゲングループにおいて、このような問題が2度と起こることのないように、われわれは出来得る限りのことをしなければなりません」と話した。

さらに、ディースはより良い企業文化の必要性にも触れ、「フォルクスワーゲングループは、もっと信頼される企業にならなければなりません。われわれは正直な企業市民であり、全従業員に対する模範となるべきなのです」とも述べている。

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