現地ルポ、ディーゼル不正 VWグループの苦境続く 業界全体への影響も

公開 : 2018.07.29 12:10

広がる影響

フォルクスワーゲンがこの問題に苦しむ一方、業界全体にも影響が広がっている。直ぐに起こった変化としては、実際の走行条件に近い排ガス測定テストが導入されており、この新たなテスト方法のもと、規制当局が行う車両テストに想定以上の時間が掛かっていることで、自動車メーカーに大きな混乱をもたらしている。

フォルクスワーゲングループも大きな影響を受けており、ヴォルフスブルク工場での車両生産を、当面の間、週1日から2日間停止すると最近発表している。

ディーゼルゲートのような問題の再発防止を目的とした新たな法律も準備段階にある。EUの政策執行機関である欧州委員会では、車両1台あたり3万ユーロ(390万円)の罰金と、リコールの発動を指示することができるが、新たな法制度によって、フォルクスワーゲンが行ったような、不正技術の使用が疑われる場合、欧州委員会は自動車メーカーに対して、ソフトウェアの中味の開示を求めることが可能となる。

他の自動車メーカーでも、同様の不正装置が使用されているとの情報もある。最近ではドイツ運輸省が、テストによりディーゼルの排ガスを不正に操作するディフィートデバイスの搭載が明らかになったとして、メルセデス・ベンツに対して最大77万4000台のリコール実施を指示している。

しかし、メルセデスの親会社であるダイムラーでは、ソフトウェアの違法性に関する疑義については、依然検証が必要だとしており、英国におけるリコールはまだ発表されていない。

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