英国で日本の中古車がブームに 魅力は右ハンドルでコンディション良好なこと 輸入コスト高騰も依然として人気、円安の影響も

公開 : 2026.11.05 11:45

最近、英国では日本から輸入された中古車がブームとなっています。右ハンドルであるだけでなく、丁寧に扱われているため状態がよいとのこと。輸送費の高騰にもかかわらず、円安の影響もあって人気を博しています。

同じ右ハンドルで、状態もいい

最近、英国に住む筆者の友人ふたりが、それぞれ日本から輸入された中古の欧州車を購入した。あまり報じられていないことだが、英国では日本の中古車が今もなお活況を呈しているということを改めて実感することになった。

実際、年間約4万台もの中古車が日本から英国へ輸入されている。その魅力は、右ハンドルでEUの型式認定を受けているだけでなく、良好なコンディションを保っている点にもある。

日本から輸入される中古車は、英国のものより状態がいいという。(画像はイメージ)
日本から輸入される中古車は、英国のものより状態がいいという。(画像はイメージ)

後者の理由としては、日本のドライバーがクルマをより丁寧に扱っていること、冬の道路に塩が撒かれるケースが比較的少ないこと、そして厳格な日本の車検制度(英国におけるMOTに相当し、1回あたり2000ポンド=約42万円かかることもある)の費用が高いため早めにクルマを手放してしまうといった事情が挙げられる。

3年前、筆者は英国ブリストル近郊の自動車販売業者ウィンターストーク・モーター・カンパニーのオーナー、ニール・ハウ氏に会った際、この市場について取材したことがある。ハウ氏は日本からの中古車の輸入・購入を行うディーラーや消費者を支援する英国独立自動車販売協会(BIMTA)の理事であり、自ら日本へ頻繁に赴いてクルマを仕入れている。まさにこの分野の権威と言えるだろう。今回、最新情報を聞くため、改めてハウ氏に連絡を入れてみた。

円安の影響で競争が激化

ハウ氏は現状について「円安が進んでいます」と説明する。

「円安により市場に参入する業者が増え、競争が激化し、車両価格が押し上げられています。同時に、米イラン戦争による海運の逼迫や、中国の自動車メーカーからの旺盛な需要が、輸送コストを押し上げています」

輸入コストが増え、価格差はなくなりつつあるものの依然としてJDMの人気は高い。(画像はイメージ)
輸入コストが増え、価格差はなくなりつつあるものの依然としてJDMの人気は高い。(画像はイメージ)

それでも、市場は活況を呈しているという。

「需要が供給を上回っています。クルマの年式は新しくなってきており、従来から輸入されてきたボルボ、アウディ、フォルクスワーゲン、BMWに加え、ランドローバーやミニなど、ブランドやモデルの幅も広がっています。1万5000ポンド(約320万円)を超えるクルマは英国国内より若干安いものの、それ以下のクルマは状態が良いため、価格はほぼ同程度です」

ハウ氏によると、デジタル整備履歴は簡単に確認できるほか、走行距離や盗難歴、ローン履歴については、返金保証を提供するBIMTAを通じて確認できるという。クルマが正しく登録されていれば、ローンや保険の手続きも簡単だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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