「ロードローバー」ブランド新設へ(2) そのリスクとは ジャガー・ランドローバー

公開 : 2018.07.30 06:10

JLRの戦略 ロードローバーでリスク分散

JLRの2016/17年の会計年度についての業績発表によれば、ジャガーXE、XF、XJの販売台数は9万4000台。XFスポーツブレークで販売は加速したものの、今後数年間ジャガーのロードカーが高く安定した業績をあげる可能性は低い。

年間販売台数100万台の目標を達成するため、JLR幹部はに新たな戦略をとることに決めたようだ。つまり、今後のJLRはクロスオーバーやSUV市場の開拓を進める一方で、より燃費が良く、伝統的なオフローダーらしさを抑えたプレミアムカーを開発していく。

この戦略にはリスクもある。市場がレンジローバーの3モデルやFペイスのような「チェルシートラクター」、つまり、富裕層が愛用する大きく堂々としたSUVを受け入れなくなる可能性だ。

そこで重要なのがロードローバーブランドの設立である。ラグジュアリーなロードカーでありながらあらゆる路面を走破する、まさに「クロスオーバー」のブランドを立ち上げること。これによってJLRが得るメリットはひとつではない。

60万台あまりという現在の販売台数から、数値の面でも利益の面でも大きく成長するだけではなく、激動する全世界の新車マーケットの動向へのリスクを分散しておく意味もあるのだ。
 

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