初試乗 ポルシェ・パナメーラGTS  真のスポーツカー、得たもの/失ったもの

公開 : 2018.11.05 10:10  更新 : 2018.11.17 14:18

先代パナメーラの中でも、ドライビング面で最も満足できたグレードがGTS。しかしながら2代目では、幾つかの理由でパナメーラのベストとは、いえなくなってしまったようです。中東、バーレーンのサーキットで、仕上がりを確かめました。

もくじ

どんなクルマ?
2代目パナメーラにもGTSが追加
ハードウェアに大差はなし
どんな感じ?
正真正銘のスポーツカー
価格は10万5963ポンド(1568万円)から
「買い」か?
GTSを選択する理由が見つからない
スペック
ポルシェ・パナメーラGTSのスペック

どんなクルマ?

2代目パナメーラにもGTSが追加

ポルシェがハードコアなGTグレードのほかに、「GTS:グランツーリスモ・スポーツ」という呼び名を持つ魅力的なグレードを、現代に蘇らせてからしばらく経つ。現代のラインナップでは、911だけでなく、ボクスターやケイマン、マカン、カイエン、そしてこのパナメーラまで、すべてのモデルにGTSグレードが用意されている。

ポルシェの4ドアサルーンに、このGTSグレードが導入されたのは2011年。車高をわずかに下げ、エンジンにはターボに次ぐ出力を持たせつつも、甘美な自然吸気のままだった。スポーティな黒塗りのパーツが、なだらかに傾斜するハッチバックボディに設えられ、ディーラーで買えるラグジュアリー・サルーンとしては白眉のハンドリングには、さらに磨きをかけられていた。アルカンターラのインテリアと程よいプレミアム感は、クルマの雰囲気を壊すことはなかった。レシピはほぼ完成していた。

2代目のパナメーラにもGTSグレードが用意されることになったのだが、基本的に同じレシピで作り上げられていても、正直、初代ほど食欲をそそられるクルマではなさそうだ。残念ながら。

その理由のひとつはエンジン。90°のバンク角を持つ、4.0ℓV8エンジンは、パナメーラのすべてのグレードでターボが組み付けられている。最高出力は460ps。63.0kg-mの極太の最大トルクが、1800rpmから6100rpmまで途切れることなく、湧き出てくる。

日常的乗るクルマとしては凶暴な部類のパフォーマンスといえるが、いってしまえば、トップグレードからやや出力を抑えられた、普通のターボエンジンだともいえてしまう。

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