最新BMW Z4 高剛性と低重心を実現した筋肉質なコーナリングマシン

公開 : 2019.05.02 09:50

コーナリング能力は高いが軽快感がやや不足

では、ある意味でスポーツカーの命といえるワインディングでの印象はどうだったか。ショートホイールベース、ワイドトレッド、低重心、それに50:50の前後重量配分と、四拍子そろったシャシーを持つZ4だけに、コーナリングは得意中の得意という印象で、手応え充分なステアリングを切り込むと、すぐさま身を翻してコーナーに飛び込んでいく。

コーナーの連続を縫って走る際のハンドリングはまさにオンザレールという印象で、アンダーステアをほとんど感じさせず、19インチのミシュラン パイロットスーパースポーツがガッチリと路面を捉えたまま、狙ったラインをハイペースでトレースしていく。

M40iはMスポーツディファレンシャルを標準で備えているからその効果を試すべく、スポーツモードで上りのタイトベンドを攻めたら、テールがツツッとスライドしつつもボディが前に押し出されるのを感じ取れた。その効果を明確に味わうには公道上ではなく、サーキットに持ち込む必要があるだろう。

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というわけでZ4 M40i、すこぶるコーナリング能力の高いクルマという印象を得たが、ひとつだけ物足りなく感じたのは、僕がスポーツカーに求める軽快さを明確に実感できなかったことだ。ライトウェイトスポーツのようなヒラリヒラリとした軽快感が、BMWが重視していると思われるスタビリティと両立し難いものなのは理解しているが、できればもう少しその感覚が欲しかったと思うのは、贅沢だろうか。



そういう意味では、車重1490kgと6気筒モデルより90㎏軽く、しかも軽くなる部分の大半が前輪荷重にあると思われる4気筒搭載モデルの方が、挙動が軽快である可能性は大いにある。できれば近いうちに、4気筒のZ4に乗ってみたいものだと思う。

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