かつての雇用主アルファ・ロメオ&アウディに挑む BYDのデザイン責任者、ヴォルフガング・エッガーに訊く デ・シルヴァから得た金言とは

公開 : 2026.08.28 07:05

BYDのデザイン責任者ヴォルフガング・エッガー氏は、高級車ブランド『デンツァ』を欧州市場の嗜好に合った仕様にするためにイタリア・ミラノの新拠点を活用する方針です。デザインと技術力を強みとします。

欧州ブランドで活躍したデザイナー

BYDのデザイン責任者であるヴォルフガング・エッガー氏は、高級車ブランド『デンツァ』向けに欧州中心の新たなデザインアプローチを導入している。同氏は以前アルファ・ロメオアウディランボルギーニに在籍していた人物であり、かつての雇用主に挑もうとしているのだ。

BYDはイタリア・ミラノにある新たな欧州本社の運営を本格化させている。ここにあるデザインセンターでは、BYDの全車種を現地の嗜好やニーズに沿ったものにすることを目指す。

デンツァZ
デンツァZ

エッガー氏はAUTOCARのインタビューで、この新施設について「デザイン研究のための専用拠点であり、主に欧州の嗜好やトレンドを把握し、それらをデンツァおよびBYDのデザインアイデアへと変換することを目的としています」と説明した。

この動きは、欧州に進出したばかりのデンツァにとって、特に大きな意味を持つ。第1弾となる『Z9 GT』は10万ポンド(約2160万円)台で、ポルシェパナメーラに相当するモデルだ。最近では15万ポンド(約3250万円)を超えるスポーツカー『Z』が加わり、ポルシェ911の追撃を始めた。

質感や革新的な技術で対抗

欧州の高級車ユーザーに、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、BMW、アウディといった現地ブランドから、馴染みのない中国ブランドへの乗り換えを促すことは難しい課題だ。しかしエッガー氏は、現地でモデルを設計することがブランドの競争力にとって不可欠だと述べている。

同氏は、欧州における長年のブランドロイヤリティの壁を打ち破り、足場を築くことについて「自信がある」とし、「革新性と斬新なデザインで、従来のブランドと競合できる」と力を込めた。

デンツァD9 GT
デンツァD9 GT

従来のライバルとの差別化ポイントとして挙げられるのが、デンツァの技術力だ。Z9 GTの「タンク・ターン(超信地旋回)」や、3モーター搭載の『U9』に採用された独自の磁性流体サスペンションが、その最も顕著な例と言えるだろう。

しかし、エッガー氏によると、デンツァは欧州中心のアプローチにより、デザイン、素材の魅力、パーソナライゼーション、そしてブランド認知度といった面でも競争力を高められるという。

同氏は、ミラノがBYDの欧州デザイン拠点として選ばれた理由として、「トレンドや素材」に関するアイデアを交換する目的で「最も重要なファッションハウスとのつながりを築く」ことができる点を挙げた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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