大胆にカット 改造費は1349万円 屋根なしレンジローバーに試乗

公開 : 2019.05.22 07:10  更新 : 2019.05.22 08:25

ラポート・ハンツマン社のトップレス・レンジローバー

この屋根のないトップレス・レンジローバーをどのカスタムメーカーが手がけたのか、当時は話題にされたこともなかった。しかし一般的には、ラポート・ハンツマンがベースモデルではないかといわれている。主に中東地域の顧客向けにコンバージョンされていた、8名乗りの屋根のないレンジローバーだ。

ロンドンのパークレーン・メイフェアに拠点を置いていたラポート社は、レンジローバーの改造を手がけていた有力企業のひとつ。ランドローバーの純正モデルにはなかった空白を埋めるべく、徹底した作り込みで、当時としては世界的に珍しいラグジュアリー4×4を制作していたスペシャリスト。1981年の4ドア版の登場とともに、コンバージョンは市場の大きな関心を集めることになった。一方で、メーカー純正の豪華な4ドアモデルの登場は、ラポートのようなスペシャリストにとっては、終演を迎えるきっかけにもなってしまうのだが。

1978年に事業を初めたラポート社は、ストレッチリムジン「クワドラポルテ」と「エクセルシオール」を発表。レンジローバーに後付けされたものは、レザーやウォールナットという定番素材に加えて、テレビやエアコンなど。エクセルシオールというモデルには、ロールスロイスのパルテノングリルを模したフロントグリルも取り付けられていた。パンフレット上ではこのフロントグリルをリーガルフロントと呼んでいるが、ロールスロイスの弁護人の興味は充分にひきそうな仕上がりだった。

2名づつ向き合って座れるランドレースタイルのほか、駆動しない3本目のタイヤを追加した6輪仕様もあった。また巨大なサンルーフを開いて、電動油圧システムで持ち上がるハンティングシートを備えたものまで用意された。ハンツマンを含めて、最終的に何台のクルマが改造されたのか、明らかではない。

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