前輪駆動ホットハッチ前夜 フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(1) 手頃なラリー・レプリカたち

公開 : 2026.08.02 17:45

現実的な価格で購入することができたラリー・レプリカ、フォード・エスコート RS2000、ヴォグゾール・シェベット HS、そしてタルボ・サンビーム・ロータス。ホットなFRモデル3台を、UK編集部が比較します。

現実的な価格で提供されたラリー・レプリカ

前輪駆動のホットハッチへ注目が向けられる前から、ラリーは販売へ繋がったモータースポーツだった。40年前の英国では、メジャースポーツのようにTV放映され、公道を走れるラリー・レプリカを、各メーカーは現実的な価格で提供していた。

今回の3台は、いずれも1970年代末に発売された、後輪駆動のハッチバック。ヴォグゾール・シェベット HSとタルボサンビームロータスは、世界ラリー選手権(WRC)を前提とした本気のホモロゲーション仕様で、生産数は多くない。

手前からタルボ・サンビーム・ロータスと、ヴォグゾール・シェベット HS、フォード・エスコート RS2000
手前からタルボ・サンビーム・ロータスと、ヴォグゾール・シェベット HS、フォード・エスコート RS2000    マックス・エドレストン(Max Edleston)

フォード・エスコート RS2000は、1970年代半ばのRS1800と異なり、ホモロゲ仕様ではない。それでも、Mk2のエスコートはラリーを中心に活躍。ヴォグゾールが、「ディーラー・チーム・ボクスホール(DTV)」を設立する動機を生んでいる。

倍近い2.3Lユニットが載ったシェベット HS

1975年に発売されたシェベットは、ワークス・ラリーカーの望ましい土台になった。他モデルの技術を活用し、本来の1.3L 4気筒エンジンは、倍近い2.3Lユニットへ置換。そこへ、ツインカム16バルブのアルミ製ヘッドが与えられた。

前がダブルウィッシュボーン、後ろがリジッドアクスルのサスペンションには、ビルシュタイン社製ダンパーをセット。シャシーはサスペンションタワー周辺が強化され、ブレーキは、ヴォグゾール・キャバリエ譲りの大径ディスクとドラムが組まれている。

ヴォグゾール・シェベット HS(1978~1980年/英国仕様)
ヴォグゾール・シェベット HS(1978~1980年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

公道仕様のシェベット HSは、1978年に発売。ストロンバーグ社製キャブレターが2基載り、最高出力は137psで、0-97km/h加速8.5秒、最高速度185km/hの優れた動力性能にあった。5速MTにはトルクチューブが組まれ、確かなパワー伝達を叶えている。

他方、230psのラリーカーはヘッドの供給に問題があったものの、1979年にウェールズ・ラリー、マンクス・ラリー、カストロール・ラリーで優勝。RAC英国オープンラリー選手権のタイトルを獲得した。

レッドのストライプにダックテールスポイラー

ロブ・プライス氏が所有するのは、12年前に入手したという、1979年式のシェベット HS。2基のキャブレターはデロルトへアップグレードされ、最高出力は25ps上昇している。メインベアリングも変えてあるが、それ以外はオリジナルだという。

ボディカラーは、限定400台の共通だった、シルバー・スターファイア。フロントスカートとレッドのストライプ、ダックテールスポイラーが、スポーティな印象を強める。幅が205あるタイヤが包むアルミホイールは、当時のエイボン風だ。

ヴォグゾール・シェベット HS(1978~1980年/英国仕様)
ヴォグゾール・シェベット HS(1978~1980年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

キャビンは、今回の3台では最も豪華だろう。フロアには、レッドのパイルカーペット。シートやドアは、チェック柄で飾られる。油圧や水温などの補機メーターがセンタートンネル上に並び、スピードとタコは、3スポークステアリング越しに良く見える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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