ロータスの4気筒かワークスな容姿か フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビーム(2) 甘辛の理想的味付け

公開 : 2026.08.02 17:50

現実的な価格で購入することができたラリー・レプリカ、フォード・エスコート RS2000、ヴォグゾール・シェベット HS、そしてタルボ・サンビーム・ロータス。ホットなFRモデル3台を、UK編集部が比較します。

支持を集めたラリーカーを意識した見た目

フォード・エスコート RS2000が支持を集めた大きな理由は、ワークス風ラリーマシンを意識した見た目。シビエ社製のヘッドライトは4灯化され、目立つスカートとブラックのバンパーがフロントを飾った。リアにも、当然スポイラーが載った。

ホイールアーチは僅かに広がり、アルミホイールは13インチのラリー・スポーツ。サイドとリアには、RS2000と記される。キャビンは、ブラック・ファブリックの内装とシェール社製スポーツシートで、通常のエスコート Mk2との違いが主張された。

フォード・エスコート RS2000(1975~1980年/英国仕様)
フォード・エスコート RS2000(1975~1980年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

1978年のカスタム仕様では、レカロ社製シートや専用ホイールなどを獲得。また、ビルシュタイン社製ダンパーにローダウンスプリング、ベンチレーテッドディスク、LSDなどのオプションを組めば、ほぼラリーカーに仕立てることも可能だった。

今回のエスコート RS2000は、フォード・マニアのフィル・ホール氏がオーナー。5速化されたMT以外は純正のままで、1年前に購入したばかりだという。

軽快ながら、落ち着いてもいる身のこなし

個人的に、今回の3台で1番カッコいいのがコレ。Mk2のエスコートは見た目の特徴が薄いものの、専用アイテムが精悍なクーペにまとめ上げている。ステアリングは3スポークのRS仕様だが、標準と殆ど変わらない車内も、人間工学に優れ居心地が良い。

シフトレバーはストロークが長いが、滑らかにゲートを選べる。ギア比が高く、穏やかなクルージングを提供する。2.0Lのピント・ユニットは滑らかに回り、丘陵地帯を飛ばしても、さほど速く感じられないのが惜しい。

フォード・エスコート RS2000(1975~1980年/英国仕様)
フォード・エスコート RS2000(1975~1980年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ステアリングは軽く、ギア比はスロー。反応はダイレクトで予想しやすく、ボディロールは抑えられ、グリップ力に不足はない。身のこなしは軽快ながら、落ち着いてもいる。

カーブへ飛び込めば、穏やかなアンダーステア。負荷が高まるとオーバーステア。ブレーキの効きは弱めで、高速域での安心感を薄めるものの、挙動は親しみやすい。

ロータスの2.2Lエンジンを得たサンビーム

これら2台と明らかに異なる体験を提供するのが、タルボ・サンビーム・ロータス。オーナーはスティーブン・クロザーズ氏だ。経営危機にあったタルボが、スコットランド工場を活用するべく、落ち着いた3ドア・ハッチバックのサンビームは生み出された。

タルボの親会社だったクライスラーは、フォード・エスコートやヴォグゾール・シェベットのラリーでの活躍へ影響を受け、ラリーカーの開発を決定。仕事はロータスへ託され、技術者は自社の2.0L 16バルブ4気筒、タイプ907ユニットをベースに選んだ。

タルボ・サンビーム・ロータス(1979~1981年/英国仕様)
タルボ・サンビーム・ロータス(1979~1981年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

排気量は2172ccに拡大され、タイプ911と名付けられたエンジンは、最高出力152psを発生。0-97km/h加速7.8秒、最高速度196km/hの充分な速さが与えられた。サスペンションは引き締められ、車高はダウン。車重は960kgと軽かった。

サンビーム・ロータスという名で発表されたのは、1979年。ラリーカーは、1980年の英国RACラリーで優勝し、1981年にマニュファクチャラーズ・タイトルも奪っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フォード・エスコート x ヴォグゾール・シェベット x タルボ・サンビームの前後関係

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