AUTOCARアワード2019 五つ星モデル部門 珠玉の3台を表彰

公開 : 2019.06.01 07:50  更新 : 2019.06.03 08:54

アストン マーティンDBS スーパーレッジェーラ


今年初めのジュネーブで、数々のミッドエンジンスーパーカーを発表したアストン マーティンの「セカンドセンチュリープラン」は、新たな段階を迎え、この計画については多くが語られている。そのどれもが非常に興味深いものであり、いまゲイドンのアストン本社で進められていることについては、神のみぞ知るといった状況だ。

だが、もしアストンらしい、大排気量エンジンを積んだ伝統的なフラッグシップGTがお好みなら、2019年のいま、われわれには、DBSスーパーレッジェーラがある、このクルマほど、アストンの長年にわたる功績を示す、美しさと速さを兼ね備えた存在はないだろう。

まさに、アストン マーティン製GTの歴史を受け継ぐ完ぺきなモデルであり、アストン最新のプラットフォームや、ダイムラー製コンポーネントの採用、さらには、現行のデザイン言語から生み出されたのを不思議に思うひとがいるかも知れないほどの、素晴らしい出来栄え誇っている。

DB11が積むツインターボV12エンジンの実力を解き放ったことで、DBSスーパーレッジェーラは、ごく少数が生産されたOne-77と、ハイパーカーのヴァルキリーに次いで、アストン量産モデルとしては、710psの壁を突破した3台目のモデルとなっている(そして、このクルマには、先の2台は無い、普段の路上で役立つ豊かな中速トルクまで備わっている)。

さらに、カーボンファイバー製ボディを持ち、先代ヴァンキッシュSも羨むほどの、4秒をはるかに下回る0-97km/h加速を達成している。

さらに、DBSスーパーレッジェーラのギアボックスは、驚くほど容易にスムースな加速を可能にしている。より刺激的だが、より緊張感を強いられるフェラーリ812スーパーファストと比べれば、車重の重いアストンのほうが、タイムでは劣ると多くが考えるだろうが、DBSスーパーレッジェーラをテストしたロードテスターは、「4速ギアでの48km/hから113km/h、5速での64km/hから129km/h、さらには7速での80km/hから145km/hへの加速のいずれでも、アストンのほうが上回っていた」と、書き残している。

「巨大でパワフル、そして優雅でもある、V12エンジンをフロントに積んだ、この驚くべきGTモデルは、まさに、われわれの多くがアストンに期待するそのものであり、注目を集める存在でありながら、長距離移動では、ドライバーを魅了する優れたドライビバリティーを発揮し、アストンに新たな基準を打ち建てることに成功している」

DBSスーパーレッジェーラのメカニカルレイアウトこそが、まさにアストン マーティンを代表するものであることを考えれば、創業から74年、フォード傘下となって初めて、そのGTモデルにV12エンジンが搭載されることになったというのは、俄かには信じがたい事実だろう。

だが、これは喜ばしい驚きであり、以降、アストンならではの、この素晴らしいフロントV12エンジンというレイアウトを磨き続けたからこそ、これほどの高みへと到達することができたのだ。

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