なぜオープンカーは激減したのか SUVの影響? メーカーの見解 解決策は

公開 : 2019.06.05 19:10  更新 : 2019.06.07 18:37

SUV人気 楽しいクルマが衰退する予兆?

オープンモデルでは、中高年齢層の支持が根強いが、若年層は興味を示さなくなった。スポーツカーを含めて「カッコイイ! 楽しい! 爽快!」という価値観が薄れている。

その結果、ロードスターからフォルクスワーゲンまで、オープンモデルの売れ行きが下がり車種数も減った。マスタングやカマロはクラシックな雰囲気に変わり、昔ながらのオープンモデルはプレミアムブランドに限られる。

心配なのは今後の動向で、クルマに日常生活のツールという価値観が定着してユーザーが世代交代すれば、プレミアムブランドでもオープンモデルが減っていくだろう。一部の限られた高価格車でないと、オープンモデルを買えなくなる可能性がある。

フォルクスワーゲンで、すでに消滅した乗用車のカテゴリーに、フェートンがあった。4ドアセダンのルーフをソフトトップに変えたような高級車で、モノコック構造の普及もあって1950年頃に消滅した。オープンモデルも同様の結末を辿るかも知れない。

輸入プレミアムブランドの商品企画担当者は、「今の高級車を購入する年齢層は二極分化しています。50歳以上が中心ですが、意外に20代も見られます。この若年層はIT業界などで起業したひと達で、バブル経済の時のような消費意欲を持っています。落ち込んでいるのは30代から40代です」と指摘した。

たくさん稼いで豪勢に使う価値観が好ましいとはいわないが、オープンモデルなど趣味性の強い商品には不可欠のユーザー層だ。このような若い顧客を育てながら、クルマの楽しさを訴求していかないと、価値観が実用指向で硬直化する。

今のSUV人気はその前段階だ。SUVはもともと悪路を走るクルマとして普及したから、大径タイヤを装着して、ボディの下半分は野性的でカッコイイ。上側はワゴンスタイルだから車内が広く、3列シート車も用意される。

つまりSUVは、上側が実用性、下側は趣味性を強め、2つの価値観を融合して人気を得た。このまま放置して趣味性のニーズが下がれば、やがてSUVの売れ行きも低下して、実用重視のカテゴリーだけが残る。

仕方のない成り行きともいえるが、クルマ好きとしては寂しい。メーカーにとっても嬉しいことではないだろう。

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