ロードテスト DS 3クロスバック ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2019.07.21 09:50  更新 : 2022.04.23 11:57

PSAは新開発のプラットフォームを、フランスのプレミアムブランドではじめて実用化しました。内外装とも目を奪う個性的なデザインをふんだんに用いていますが、質感も走りの洗練度もプレミアムと呼ぶには物足りないものでした。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
内装 ★★★★★★☆☆☆☆
走り ★★★★★★★☆☆☆
使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆
操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
スペック
結論 ★★★★★★☆☆☆☆

はじめに

プジョーシトロエン、そして今やオペルヴォグゾールも要する自動車業界の巨人、PSAグループは、1億ユーロ(約122億円)の巨費を投じて、ポワシー工場にDS 3クロスバックの生産ラインを準備した。この大胆なルックスの新型車に対する、期待の表れといえるだろう。

大胆なのは見た目だけではない。DSオートモビルズとしては、DS 7クロスバックに続く2車種めの新規設定モデルで、絶大な人気がさらに膨らみ続けているBセグメントSUVのシェアを、伝統あるプレミアムブランドから奪うことを目指そうというのだ。そのターゲットはアウディQ2ミニ・クロスオーバーだが、それらと違って、DSはいまだ認知度を高めている途中で、多くのドライバーにとっては海のものとも山のものともつかないブランドといったところだ。

現代版DSの初期モデルは、当然ながら既存のシトロエン車をベースにしたもので、慎ましい成功に満足していた。実際のところ、人気のDS 3ハッチバックは別にして、2015年の独立ブランド化以来、DSオートモビルズの経営は芳しくなかったといってもいい。DS 7クロスバックはリバイバルの先導役になったと思われるが、今回テストする弟分はセールスをさらに拡大することが求められている。

このクルマは、ベースとなったハッチバックの市場を脅かしつつある、数多いコンパクトSUVの一台にすぎないとみなされるだろうが、それ以外の点でも時流を捉えている。ベースとなるCMPプラットフォームは、PSAが中国で協力関係を築いている東風汽車との共同開発で、近く電動仕様も導入される予定。スタイリングや雰囲気が重視されているが、ドライバーアシスト技術においてもセグメントのトップレベルを目指している。

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