フォルクスワーゲンのディーゼル不正に集団訴訟 最大の争点は「補償額」 英

公開 : 2019.07.30 18:10

VW「米の調査結果、英の法的拘束力なし」

1つめの法的視点は、フォルクスワーゲンが「注意義務」に違反したかどうかを決定することになる。それは同社が1.2ℓ、1.6ℓ、2.0ℓのEA189ディーゼル・エンジンを搭載するクルマに「無効化装置」を取り付けたかどうかによる。

「依然としてフォルクスワーゲンが訴えているのは、影響を受けた車両には禁止されている無効化装置は含まれていなかったということです。この点における外国の当局によるいかなる調査結果も、英国の法廷では法的拘束力がないと主張しています」と、フォルクスワーゲンはAUTOCARに声明で述べている。

「われわれの一貫している立場は、ロンドンの高等法院における法的手続きの教唆は無根であるということです」

これに対する抗弁は、スレーター&ゴードンが論じる。フォルクスワーゲンは、クルマがローリングテスト中であると検出するとエンジンの燃焼を一時的に改変し、NOx排出量を減らす無効化装置を装着していたことを米国で認めたが、この自認は英国ではなんの法的効力ももたらさない。

「VWは、この装置が2つのモード(テストと路上)で車両を制御することを既に認めています。しかし、なぜこの装置を取り付けたのかを説明することはできずにいます。いま、裁判官はかれらに説明を命じています」とスレーター&ゴードンはAUTOCARに声明で述べた。

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