G20型で唯一の直6ガソリンの3シリーズ

　
最新のBMW 3シリーズの中で最も強力なM340i。7代目となったG20型3シリーズの多くは4気筒エンジンを搭載しており、現在ではガソリンエンジンの直6を搭載したモデルはM340iが唯一となる。

最上級グレードらしい豪華な装備を得たM340i xドライブは、BMW Mディビジョンと密接に協力しあって開発された。その事実が番号の前の「M」に表現されている。モデル・ラインナップとしては、330iと2020年に登場予定のM3との間に位置する。

英国価格は4万8555ポンド（660万円）で、ライバルのアウディS4やメルセデスAMG C43などと真っ向勝負。4ドアサルーンだけでなく、5ドアのステーションワゴン、ツーリングも選択が可能だ。

エンジンはBMW最新のB58型ユニット。排気量3.0Lをツインスクロール・ターボで過給する。排気ガスの微粒子を取り除くパティキュレート・フィルターも追加されている。

先代の同等モデルと比較すると、48psのパワーアップとなる最高出力374psを獲得。最大トルクは50.9kg-mで、1850rpmから5000rpmに渡って発生する。ちなみに330iに積まれる2.0L 4気筒ターボの場合、258psと40.7kg-mとなっている。

豊かなパワーを媒介するのはトルクコンバーター式の8速AT。M340i独自のギア比が与えられ、ローンチコントロール機能も備える。最新の4輪駆動システム、xドライブには、デフロックも可能な電子ディファレンシャルが採用されている。

M3ジュニアに相応しい動力性能

M340iを支えるのは特別なチューニングを受けたMスポーツ・サスペンション。車高は他の3シリーズより10mm低い。スポーティで確実な操縦性を与えるとBMWが自らうたう、新開発のものだ。

テスト車両に装備されていたアダプティブ・ダンパーはオプション。エコ・プロ、コンフォート、スポーツ、スポーツ・プラスの4段階で減衰力の調整が可能となる。

車内の雰囲気はとても上質。直接のライバルモデルよりも豪華で質感も高い。フロントシートのサポート性も良く、レザー巻きのマルチファンクション・ステアリングホイールの形状も丁度いい。

ダッシュボードは3シリーズのトップグレードらしく、モニター式のデジタルメーターに高級感のあるクロームメッキ・トリムが華を添える。中央にレイアウトされるのは10.3インチのインフォテイメント・システム用タッチモニター。特別感とスポーティさが共存している。

M340iでぜひとも追加したいオプションが、ヘッドアップ・ディスプレイ。試乗車にも装備されていたが、運転支援システムやクルーズコントロール、ナビの誘導など幅広い情報を表示してくれる。ライバルモデルより機能的だといえる。

乗り味は、一般道ではM3ジュニア的らしく、優れた滑らかさと柔軟性を獲得。その気になれば、0-100km/h加速4.4秒の鋭さも持ち合わせている。1670kgと先代より車重は増えていながら、0.5秒も加速時間を縮めている。

この加速性能は、431psを発生させた5代目M3より、0.3秒劣るだけと聞けば速さに実感も湧く。M340iに搭載されるB58型ユニットは6800rpmまで積極的に吹け上がり、330iなどに搭載される4気筒よりエンターテイメント性は高い。

画像　M340iとアウディS4、AMG C43　全121枚