【2019年もっとも運転の楽しいクルマを決定(5)】ポルシェ対マクラーレン対アリエル ドライバーズカー選手権2019 

公開 : 2020.01.03 18:50

どんな尺度でも良くできたスポーツカー

一方で「マクラーレン流の運転をすれば素晴らしいけれど、わたしはそのスタイルがいつも楽しいとは限りません。アンダーステア、ターボラグ、そして過度なオーバーステア。時々押し付けがましく感じるのです。一番の輝きには近いのですが、少し霞んでいるんです」 と、マット・プライヤーらしいコメント。

確かに一般道では、ターボブーストのオンオフが明確で、工業的な蛋白なサウンドには欲求不満が溜まる。それでも、他のクルマと同じスピードでは知らせていても、ほぼすべての点で600LTスパイダーの感覚的な満足感は高い。

ポルシェ911カレラS PDK
ポルシェ911カレラS PDK

付け加えるなら、これにはスパイダーとしてのオープンボディが小さくない役割を果たしていることも事実。開放的な気分も加わり、走る感覚が一層濃くなっている。

ダンパーの仕事も素晴らしい。しなやかで常に完璧な処理をしてくれる。生粋のスーパーカーでありながら、ポルシェ911と同じくらい日常的に走らせたいと思える。
 
最新の992型のポルシェ911は、サイズが大きくなり、ドライバーとクルマとの一体感が薄まったという声もある。新しい911が登場するたびに、何らかの批判が出ることはお決まりなのだが、それを超えて新しい911の完成度の高さには驚かされる。普通のカレラSでも素晴らしい。

マット・ソーンダースのメモにはこう記されていた。「どんな尺度を持ってしても、とても、すごく良くできたスポーツカー。でも、一般道では個人的には少し大きすぎますし、通常の速度域では鮮明なコミュニケーションを持ちにくく感じました」

サーキットで攻め込むほどに輝きを増す

ステアリングに伝わる情報量は先代よりわずかに少ないが、「とても良い潤滑油のように滑らかにステアリングできる」 とマット・プライヤー。際立ってクイックではないものの、反応の具合は素晴らしく、タイヤへ意図した負荷を掛けていける。そこへ、オプションの後輪操舵がノーズの機敏性を引き立てる。

最高出力450psのフラット6が奏でるサウンドは、従来ほど甘美なものではなくなったが、充分なパンチ力でそれを補う。ほぼシームレスな8速PDK(デュアルクラッチAT)も秀逸。ターボやターボSの追加のパワーは、必要に感じない。

ポルシェ911カレラS PDK
ポルシェ911カレラS PDK

サーキットでのポルシェ911カレラSは特に輝いていた。リチャード・レーンは、「トラクションの強さと調整代の大きさが融合し、驚くほど奥行きがある」 と、アングルシー・サーキットの周回を重ねてまとめている。

「アンダーステアが生じにくく、オーバーステアに転じれば扱いやすい。ストリートタイヤでこの走り。気に入らない部分なんて殆どありません」 とアンドリュー・フランケルも一般道を主眼にしたであろうカレラSのサーキットでの性能に深く感心していた。

攻め込むほどに、満足度も上がっていく。サスペンションへ掛かる不可が増えるほどに、興奮も高まる。加えて懐もかなり広い。綺麗にコーナーの頂点をかすめるように運転したいなら、高いグリップ力と安定性で狙い通り。

もし派手なアクションがお好みなら、スタビリティコントロールをオフにするだけ。4輪操舵のカレラSは、ほぼすべてのコーナーでテールスライドを楽しめる。911が許容する操縦性の幅を示している。

最終選考の結果は(6)にて。

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