【2019年もっとも運転の楽しいクルマを決定(5)】ポルシェ対マクラーレン対アリエル ドライバーズカー選手権2019 

公開 : 2020.01.03 18:50

AUTOCAR恒例の今年ベストを決める、通称ハンドリングデイ。英国南西部の一般道とサーキットで、ドライバーの満足度一番を決定します。アリエル・アトムかポルシェ911カレラSは、マクラーレンを退けることはできるのでしょうか。

1位と3位との得点差は350点中9点

text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル)ほか
photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)/Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
審査員のマット・ソーンダースが、年季の入ったラップトップPCを起動する。審査のために用意された部屋に緊張感が走る中、メンバーが得点を入力していく。お互いの配点は見ることができない。

英国南西部、スノードニア国立公園へ広がる素晴らしい道を走り込み、アングルシー・サーキットのローラーコースターのようなコースを何周も攻め込んだ。いよいよ2019年のドライバーズ・ベスト、BBDCが決定する。

2019年英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権
2019年英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権

前半を読んでいただいたのなら、すでにトップ3はおわかりだろう。今年は特にトップ3が得た得点は拮抗していた。そして残りのクルマを明確にリードしていた。1位と3位との間の得点差は9点しかないが、3位と4位との間には12点の差が付いている。

審査員7名のうち5名が、順位はバラバラとはいえ、今回残った3台を自身のトップ3として選んでいる。しかも、今年の優勝車に最高得点を与えた審査員が5名もいた。過去数年間は、4・5台が表彰台に登る可能性を持っていたが、今年は違った。

昨年の優勝モデルでもあるマクラーレン600LTは、今年もその良さが光っていた。連続優勝を果たす可能性も充分にあった。しかし今年は、アリエル・アトム4とポルシェ911がトップ3に残っている。

英国サマセット州のアリエルが生んだ、才気あふれるスペースフレーム・スポーツカーは以前から実力を持っていたが、アトム4ほど素晴らしい能力ではなかった。加えて、誕生から60年を経てもなお高い評価を得ているリアエンジン・スポーツ、最新のポルシェ911が色褪せるはずがない。

場所を選ばず感動するほど良いマクラーレン

マクラーレン600LTスパイダーの良さは折り紙付き。空力学的にも磨き込まれたボディからは、クルマが目指すところが明確に表れている。前回の優勝から1年が経過しても、素晴らしさが霞むことはなかった。

アンドリュー・フランケルが話した内容が、600LTスパイダーを要約している。「場所を選ばず、感動するほどに良いですね。スピードを上げても一切の不安感がありません。ルノーメガーヌを飛ばしているかのように自信を持って操縦できます。突き詰めると個性が薄いと表現する人もいますが、去年と同じくらい今年も素晴らしい」

マクラーレン600LTスパイダー
マクラーレン600LTスパイダー

サーキットでの600LTスパイダーは、モータースポーツを起源に持つマクラーレンが生み出しただけあって、水を得た魚だ。アングルシー・サーキットでは、攻め込むほどに良さが引き出されてくる。クルマと一体感が強まり、精度の高さが活かされてくる。

タイヤの温度が上がるにつれて、コーナリングスピードも上がってくる。ハードブレーキングをしながらステアリング操作も受け入れてくれるクルマの許容値の高さには、驚嘆だ。

ノミネート車両の中には600LTスパイダーよりフィーリングで優れたクルマもあるし、エイペックスで遊べるクルマもある。だが、どこかよそよそしいハイパフォーマンス・マシンとは異なる自然な振る舞いには強く惹かれる。

油圧アシストのパワーステアリングはフィードバックもふんだんで、スリップからグリップまでのスムーズな移り変わりが、指先や腰に鮮明に伝わってくる。マクラーレンが狙った通りのペダルの操作をすれば、ベストなドライビングを体現できる。

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