【1110万円に跳ね上がった!】1995年HKS T-002/BCNR33 レコードブレーカー BHオークション

公開 : 2020.01.10 16:28  更新 : 2020.01.10 16:34

HKS T-002/BCNR33 レコードブレーカーが東京オートサロン内のBHオークション2020に出品されました。

HKS T-002/BCNR33 レコードブレーカーの特徴

・500万円からスタート
・1110万円で落札
・予想落札額は900〜1100万円だった
・チューニングメーカーHKSの手によるレコードブレーカー
・1995年に筑波サーキットで58秒714のラップタイムを記録
・1996年に谷田部の高速周回路で17秒74の0-300km/h加速タイムを記録
・HKSのショーカーとして各部をレストア&アップデート
・2019年の東京オートサロン・HKSブースに出展
・現状、エンジンはRB26DETTのノーマル新品ストックを搭載
・HKSによるエンジン・フルチューニングに対応可能

筑波サーキット・コース2000と谷田部JARI高速周回路で最速記録を樹立。
筑波サーキット・コース2000と谷田部JARI高速周回路で最速記録を樹立。

HKS T-002/BCNR33 レコードブレーカーの詳細

日本を代表するチューニングメーカーであるHKSは、第二世代のスカイラインGT-Rのチューニングに対する情熱・実力・実績共に、誰もが超一級と認める存在である。

BNR32GT-Rでは1992年よりJTC(全日本ツーリングカー選手権/グループA)に参戦。エンジンはメーカー・ワークスでのメンテナンスが基本とされた中、唯一自社メンテナンスで参戦し、1993年にはプライベーターながらポールポジションを2度獲得。

昨年のオートサロンに出展された際に、デッドストックされていた新品のRB26DETTエンジンに換装されている。
昨年のオートサロンに出展された際に、デッドストックされていた新品のRB26DETTエンジンに換装されている。

第3戦菅生では優勝を遂げる好成績を残したほか、1993年には「RUFやアルピナといった欧州のチューンド・コンプリートカーに負けないBNR32を!」というコンセプトを掲げ、RB26DETTを2688ccまでスープアップし、重量バランスを考慮して燃料タンクをリアシート部分に移して2シーター化した「ZERO-R」を発表。

空力特性に優れた形状の専用エアロボディを開発し、アウトバーンやニュルブルクリンクでのテストを繰り返した結果、“余裕で300km/h巡行”が可能なコンプリートBNR32を世に送り出している。

そんな“第二世代GT-Rチューニングのスペシャリスト”であるHKSが、“最速のBCNR33”というコンセプトで1995年に製作したレコードブレーカーが、この“T-002”である。

T-002の最初のレコードブレークのターゲットは筑波サーキット・コース2000でのラップタイムにおける“1分切り”だった。

1995年1月に車体番号「BCNR33-001275」を持つベース車が納車されると、そこから6月までの半年間でマシン開発の初期段階を終わらせ、気温が下がりサーキットタイムが伸びやすい冬場になるとタイムアタックが実施された。

そして、1995年末に松田秀士のドライブにより、当時では驚異的ともいえる“58秒715”というラップタイムをマーク。日本のみならず世界中のGT-Rチューナーを震撼させている。

なお、当時のアタックマシンのスペックはHKS GT2530タービンを2基掛けした2.7L/719ps/81kg-mというものだった。

筑波サーキットでの最速ラップタイム記録樹立を達成したT-002の次なるターゲットは、当時茨城県の谷田部にあったJARI高速周回路での0→300km/h加速タイムだった。

サーキット最速仕様から最高速仕様へとアップデートが進められ、何度かトラブルを経たのち1996年の年末に行われたアタック(アタッカーは稲田大二郎)で目標だった“20秒切り”を大幅に上回る“17秒64”をマーク。偉業とも言える速さを見せつけ“GT-RのHKS”の名を不動のものとしている。

なお、当時のアタックマシンのスペックはHKS GT3037タービンを2基掛けした2.7L/920ps/84kg-mというものだった。

出品車は歴史的な最速記録を2度も打ち立てたT-002そのものであるが、2019年の東京オートサロン・HKSブースへの出展に合わせて、大幅なレストア&アップデートが図られている。

エクステリア&インテリア共に、より現代的な雰囲気へと作り変えられたほか、エンジンは新品の状態でデッドストックされていたRB26DETTを搭載。レコードブレーカー時代のエンジンはアタック仕様で最高速アタック1発でほぼライフが終わっているため、現状はノーマルエンジンを搭載する形が取られている。

GTIII 5Rタービン他、HKS厳選のチューニングパーツが多数取り付けられた“ショーカー”として機能しているが、オークション落札者の希望があれば“筑波58秒”スペックと同等にエンジンチューニング(別途費用)が可能とのことである。

歴史に名を刻んだ“最速レコードブレーカー”を新たに自分色へと染め上げることのできる、これはまたとないチャンスである。

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