【これからどうなる?】カルロス・ゴーンの2020年、AUTOCAR英国の見方 予断を許さず

公開 : 2020.01.23 10:50  更新 : 2020.01.23 16:14

独裁者への変身 高級志向

2018年、ゴーンはフィアットクライスラー・オートモービル(FCA)との合併計画にも乗り出していたが、彼の逮捕によってこの試みは頓挫しており、その後、FCAはルノー最大のライバルであるPSAグループとの合併を選んでいる。

ゴーンの周りで働いていたひとびとによれば、彼は帝国が大きくなるにつれ独裁的になり、ベイルートやリオデジャネイロ、パリなどで豪華な邸宅を購入するなど、高級志向を強めていったのだと言う(彼はレバノンとブラジル、フランスの国籍を保有している)。

2度のタイトル獲得の後、2010年にルノーF1チームを売却したゴーンだったが、2016年の復帰を決断したのも彼だった。
2度のタイトル獲得の後、2010年にルノーF1チームを売却したゴーンだったが、2016年の復帰を決断したのも彼だった。

アライアンスの15周年を記念する式典は、彼の60歳の誕生日にベルサイユ宮殿を舞台に開催されているが、その費用は63万5000ユーロ(当時の為替で54万2000ポンド)にも達したと言われている。

その後、同じベルサイユを舞台に、映画「マリー・アントワネット」にインスピレーションを受けた豪華絢爛な結婚式を行っている。

彼の報酬は、とりわけルノーの筆頭株主であるフランス政府との間で常に議論の的となってきた。

2017年、ゴーンは1700万ドル(1300万ポンド)の報酬に加え、ストックオプションとボーナスを受け取っており、2018年の株主総会では報酬の増額案に対して、株主から反対票を投じられている。

ゴーンはその自伝のなかで、「トップには100%の行動の自由が保証され、その行動の結果に対して100%責任を負わなければならない。わたしが干渉を認めることなど決してない」と、述べている。

日産とルノーの経営統合に向けた動きと強まる独裁色が、日産経営陣内部の反ゴーン色を強め、逮捕起訴に至った会計不正疑惑に関する秘密調査のキッカケになったと言われている。

大ヒット間違いなし?

ゴーンは、日産の資金を個人的な目的のために流用したり、日本の金融商品取引法に反して収入を過少申告した罪など、複数の罪状での起訴に対する公判のため、今年4月には日本の法廷に姿を現すはずだった。

彼は「どこでも公正な裁きが受けられる場所であれば」裁判を受ける用意は出来ていると言うが、日本との犯罪人引渡条約を締結していないレバノンへと逃れたのであり、しばらくこの地を離れることはないだろう。

ゴーン主導のもと、日産は他社に先駆けてリーフを発売している。
ゴーン主導のもと、日産は他社に先駆けてリーフを発売している。

インターポールからの指名手配と、レバノンの法律に違反して過去イスラエルに渡航した件などについて、この国の検察官がゴーンに対する聴取を行うと言われている。

一方、東京地検はゴーンの記者会見に対して、「彼の主張は自らが犯した事象を無視したものであり、日本の司法制度に対する一方的な批判は到底受け入れられない」とのコメントを発表している。

日産は彼の密出国とその後の声明に関して、「まったく無責任」だと断じており、内部調査の結果、「ゴーン氏の報酬虚偽記載や、会社資産の私的流用など、複数の不正行為に関する確固たる証拠」が発見されたことを明らかにしている。

つまり、このカルロス・ゴーンの驚くべき事件はまだまだ続くということであり、もしネットフリックスでドラマ化されれば大ヒットすること間違いなしだろう。(もちろん皮肉です)

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