【価格上昇中 善は急げ】ランチア・デルタ・インテグラーレ 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.03.24 10:20  更新 : 2020.12.08 10:55

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

アッパーガスケットからのオイル漏れに注意。カムシャフトの不具合も少なくない。特に排気側のカムは、オイルに混ざった金属粉で磨耗が進む場合がある。

カムベルトとウォーターポンプは3年毎に交換したい。ターボの不調で排気ガスが白くなりがちだが、バルブガイドの磨耗で白煙を出す可能性もある。

ランチア・デルタHFインテグラーレ(英国仕様)
ランチア・デルタHFインテグラーレ(英国仕様)

長期間乗らないでいたクルマは、ゴム製の燃料ポンプマウントが溶け、ポンプに不具合をきたすことがある。

トランスミッション

リアデフのオイルにじみや、フロントデフの異音を確認したい。ビスカスカップリング内のフルードが古くなると、結合時の不調を起こす場合がある。

トランスミッションの5速の真鍮製シンクロコーンは摩耗しやすい。3速はギア自体が壊れやすい。

サスペンションとブレーキ

フロントのサスペンションアーム・ブッシュがへたると、タイヤの片減りへとつながる。ウレタンブッシュに変えてある場合も多い。

エボルツィオーネのブレーキは鳴きやすいが、防ぎにくい。

ボディ

フロントとリアガラスの周囲、リアのストラットマウント、フロントのインナーフェンダーとクロスメンバーの接する部分、ルーフの後端が錆びやすい。

フロントガラスのウェザーストリップ下、Aピラー周りにストレスで亀裂が入っていないかを確認したい。フロントドアの下回りも同様だが、場所によってはボディパネルを外さないと見れない。

インテリア

固定用のネジをきつく締めすぎると、ラジオや時計の周辺のパネルが割れることがある。パーセル・シェルフは壊れやすいが、新しい部品が手に入る。

専門家の意見を聞いてみる

ウォーカーズ・ガレージ スティーブ・ショー

ラリーへ出場した初めの頃から、インテグラーレに関わってきました。これまで2・3台所有してきましたが、販売するために購入したというのが、正直なところです」

ランチア・デルタHFインテグラーレ(英国仕様)
ランチア・デルタHFインテグラーレ(英国仕様)

「インテグラーレのようなドライビング体験を得られるクルマは他にありません。状態の良いクルマは最高ですが、調子の悪いクルマは、悲惨なことになりかねません。状態を維持するためにも、定期的なメンテナンスは不可欠です」

「整備さえしていれば、エンジンもトランスミッションも、信頼性は悪くありません。ボディのサビや、サスペンションブッシュの交換も重要。それらを整備しても、輸出需要は小さくなく、利益を上げることすら可能です」

知っておくべきこと

グループFCAのFCAヘリテージ部門が、クラシックモデルの部品供給を開始している。HFインテグラーレやエボルツィオーネの、フロント・リアバンパーなどが入手可能だ。部品はトリノの工場から回収した製造機器や成形型を用いて行われている。それぞれ250個の再生産が行われる。

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