ランチア 新型『デルタHFインテグラーレ』来年発表へ 30年ぶり復活

公開 : 2025.07.04 07:45  更新 : 2025.07.05 10:06

ランチアは2026年に新型の高性能モデル『デルタHFインテグラーレ』を発表する予定です。EVのホットハッチとなる見込みですが、プジョーの動向から察するに、ガソリンエンジンを搭載する可能性も否定できません。

ガソリンエンジン搭載の可能性も

ランチアは来年、新型の『デルタHFインテグラーレ』を発売する予定だ。生産終了から30年以上を経て、伝説的なホットハッチが復活する。

これまでと同様に、インテグラーレという名称はデルタの中でも最上位のハイパフォーマンスモデルに与えられる。デルタと並んで、DS No8の兄弟車となるフラッグシップモデル『ガンマ』にも、インテグラーレ仕様が導入される見込みだ。

先代のランチア・デルタHFインテグラーレ
先代のランチア・デルタHFインテグラーレ

パワートレインやボディサイズなどの詳細はまだ明らかになっていない。

この発表は、ラリー6規定に準拠したランチアの新型ラリーカー『イプシロンHFレーシング』のお披露目ととともに行われた。

イプシロンHFレーシングでは、1.2Lの3気筒ターボガソリンエンジンと5速マニュアル・トランスミッションを搭載し、最高出力212psを発生。リミテッド・スリップ・ディファレンシャルも備わっている。

しかし、昨年発売された標準モデルのイプシロンHFは、最高出力282ps、最大トルク35.1kg-mの電動パワートレインを搭載したEVだ。このパワートレインは、プジョーe-208 GTi、アルファ・ロメオジュニア・ヴェローチェ、アバルト600eと同じで、いずれもステランティスのe-CMPプラットフォームを採用している。

この電動パワートレインには、機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル、油圧式バンプストップ、リアアンチロールバーなども備わっている。また、ステアリングもよりダイレクトなレスポンスを得られるように調整されているという。

新型デルタHFインテグラーレも、高性能EVとして発売される可能性が高いだろう。

ただし、プジョーのCEOであるアラン・ファヴェイ氏が以前取材で、エンジン搭載のGTiモデルの導入計画を否定しなかったことを考えると、デルタHFインテグラーレにエンジンが搭載される可能性も捨てきれない。

ランチアは1979年、シンプルなハッチバックとしてデルタを発売し、よりパワフルなHFを1983年に、ターボチャージャー搭載のHF 4WDを1986年に導入した。

現在では有名なインテグラーレという名称は、デルタのラリー投入が決まった1987年に、市販車に採用された。

左ハンドル専用のHFインテグラーレ8v(最高出力185ps)から始まり、1989年にはよりパワフルなHFインテグラーレ16v(最高出力200ps)が登場し、右ハンドルも選択可能になった。

WRCの規定では、毎年5000台のロードカー(公道向けの市販車)を販売しなければならなかったが、1993年までに、インテグラーレの生産台数は4万5000台近くにまで達した。

1994年に生産終了したが、その後も人気は根強く、第三者のコーチビルダーなどによって数多くのオマージュモデルが登場している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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