【シーンを問わないスーパーカー】フェラーリ456 英国版中古車ガイド V12+FR+4座

公開 : 2020.05.03 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

バルブクリアランスは5万1000km毎に確認が必要。エンジンのホース類の交換も大切。エグゾースト・マニフォールド周辺のアルミニウム部品にヒビがないか確かめる。

燃料タンク内の燃料ポンプ・マウントが破損し、ポンプを塞ぐことがある。

トランスミッション

フェラーリ456(英国仕様)
フェラーリ456(英国仕様)

MT車の場合、オイルクーラーやパイプ類の腐食具合を確かめる。場所はリアバンパー内。AT車では、スパイダーギアの劣化による異音に気をつける。

サスペンション

可変サスペンションのアクチュエータの動作を確認する。セルフレベリング機構の油圧システムの動きも確かめたい。

サスペンション・ブッシュのヒビや、ウイッシュボーンの腐食具合も確かめる。

ブレーキ

ブレーキ圧力スイッチが故障すると、サスペンションのアンチダイブモードが働き、サスペンションがハードのまま固定される。ブレーキフルードの交換歴を確かめる。結晶化してパイプが詰まる場合がある。

ボディ

リアタイヤ後ろのシャシー周りのサビを確認する。サイドガラスの隙間で、ガラスマウントの劣化具合がわかる。

リアガラスの層が剥離していないか、リトラクタブル・ヘッドライトの動作も確かめたい。フロント・フォグライトの交換部品は出てこない。新品のボンネットは1万ポンド(135万円)もする。

インテリア

ダッシュボードやパーセルシェルフのレザートリムは収縮しやすい。灰皿やエアベント、スイッチ類のゴムコーティングが、粘つくことがある。

エアコンのガスチャージの状況や、装備品がすべて動くかも確かめたい。車内にガソリン臭がないかも確認する。

専門家の意見を聞いてみる

「456は毎日乗れるスーパーカーです。整備を続けながら、16万km以上走っているクルマも見ています。投資目的で買われることも多く、かなりの数がガレージで眠ったままの状態にあるようです」

「多くの場合、長く眠っていたクルマが問題を起こします。30%くらいはオーナーを悩ませる車両でしょう。整備の質に関係なく、問題が起きがちです。いつ、どんな整備を受けてきたのかは、調べる必要があります」

フェラーリ456(英国仕様)
フェラーリ456(英国仕様)

「エアコン、バルブクリアランス、ブレーキフルードの交換も大切ですが、行われていないことも多いです。わたしはMT車の方が好きです。AT車より走行距離が短いことが多く、距離の多いAT車より1万ポンド(135万円)は高いですね」

知っておくべきこと

サスペンションの油圧アキュムレーターの値段は、正規部品なら580ポンド(8万円)ほどするが、BMWの部品も適合する。こちらは90ポンド(1万2000円)だ。ショックアブソーバーは、ビルシュタインでリビルトも可能。

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