【波乱万丈マセラティ】時代を支えたモデル5選 2022年末までに売上高3倍めざす

公開 : 2020.06.07 09:55

スーパーカーMC20の発表を9月に控えたマセラティの、波乱万丈な歴史を振り返り、その黄金時代を支えたモデルを紹介します。2022年末までに売上高を3倍にするという目標を掲げる、同社の今後に注目が集まっています。

マセラティ・ボーラ

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

1971年のボーラは、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした、最も愛されている生産モデルの1つであり、初の中型マセラティ・モデルでもあった。

4.7Lまたは4.9LのV8エンジンを搭載し、最大280km/hの能力を持つ。

マセラティ・ボーラ
マセラティ・ボーラ

マセラティ・メラク

ボーラのべイビーと呼ばれる1972年のメラクは、その構造とボディワークの一部が引き継がれているが、3.0L V6エンジンと2つの小さなリアシートを備え、よりコンパクトで安価なモデルとなっていた。

マセラティ・メラク
マセラティ・メラク

マセラティMC12

2004年に登場した、最高速度350km/hを達成し、驚異的なパワーを誇るスーパーカーMC12は、フェラーリ・エンツォをベースとしており、マセラティはこのモデルで37年ぶりにレースに復帰している。

50台限定でロードカーが生産された。

マセラティMC12
マセラティMC12

マセラティの浮き沈み

以前、マセラティのレースの歴史はほかの追随を許さないものだったが、ロードカーのみに移行した1957年以降は、浮き沈みを繰り返してきた。

マセラティの黄金時代は、3500 GTが誕生した1957年から、シトロエンのオーナーシップの下で魅力的なボーラ、カムシン、メラクが登場した1970年代初頭までと捉える人が多い。

マセラティ3200 GT
マセラティ3200 GT

1973年のオイルショックの影響で、その後6年は厳しい状況が続いた。

シトロエン傘下で、従業員数は3倍に増えていたが、製造したクルマの台数は減っていき、1975年、シトロエンはマセラティの破産を宣言した。

マセラティの大半の株式を買収したデ・トマソは、経営陣を削減し、労働力を半分に削り、ビトゥルボ、ギブリII、クアトロポルテIII、キャラミでブランドの復活を目指した。

ビトゥルボは、BMW 3シリーズの手頃な価格帯のライバルとして投入されたが、クオリティの低さ、開発の欠如により、成功には至らなかった。

2022年末までに売上高を3倍に

マセラティがどん底を味わったのは、おそらく1989年、クライスラーからTCの立ち上げ支援を受けた頃だろう。

モデナの4気筒2.2Lエンジンを搭載し、ダッジ・デイトナに改造を加えたモデルであるTCは、失敗に終わっている。

マセラティMC20 AUTOCARイメージ図
マセラティMC20 AUTOCARイメージ図

創始者の健康状態の悪化のため、デ・トマソは1993年に51%のシェアをフィアットに売却し、マセラティはそれに値する投資を受けた。

1998年の3200 GTがターニングポイントとなったが、フェラーリのコントロールが徐々に強まり、再び経営陣が変更された。

2004年には、5世代クアトロポルテの大規模なリニューアルを行い、穏やかな成功をおさめている。

その1年後には、オーナーシップが、フェラーリからフィアットに戻り、アルファ・ロメオの傘下で、マセラティは初めて利益をあげている。

そして現在、売上が計画を下回り、マセラティは再び試練に直面している。

2022年末までに売上高を3倍にするという野心的な目標に向かって、同社の挑戦は続く。

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