【環境性能と動力性能を両立】メルセデス・ベンツGLA 250e PHEVへ試乗

公開 : 2020.06.09 10:20

人気のクロスオーバー市場へ、プラグイン・ハイブリッドを投入するメルセデス・ベンツ。システム総合で218psのパワーと、60km近い航続距離を叶えています。開発段階のPHEV版を、英国編集部がドイツで試乗しました。

コンパクトモデルで増えるPHEV

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデス・ベンツはEQパワーというエンブレムの付いた、プラグイン・ハイブリッド・モデルの開発に前のめりだ。特にコンパクトモデルで。

PHEVのA 250eが、英国ではハッチバックとサルーンで提供されている。B 250eも加わり、4ドアクーペとシューティングブレークの両方のCLAにも、250eが投入される。

メルセデス・ベンツGLA 250e EQパワー・プロトタイプ(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 250e EQパワー・プロトタイプ(欧州仕様)

そして今回試乗するのが、GLAの250e。最終段階にあるものの、まだ開発段階のプロトタイプだった。英国で販売が開始されるのは、2020年の後半が見込まれている。新しいBMW X2 xドライブ25eなどのライバルとなる。

発表されて間もない、クロスオーバーの2代目GLA。PHEV版のGLA 250eは、WLTP値で53kmから61kmの距離を電気の力だけで走行可能だという。環境負荷も小さく、英国では会社からの貸与車両の場合、税制面でも有利に働く。

PHEV版のGLA 250eがベースとするのは、GLA 200。メルセデス・ベンツの親会社となるダイムラー社と、ルノー社とのジョイントベンチャーで開発された、1.3Lの4気筒ガソリンターボ・エンジンを採用する。

GLA 200と同様に、4気筒エンジンは最高出力158psと最大トルク25.3kg-mを発生。そこへ102psと30.4kg-mを生み出す電気モーターを合体。システム総合では、218psと45.8kg-mとなる。トランスミッションは8速デュアルクラッチATで、前輪を駆動する。

ドライブ・モードは迷うほど沢山用意されている。コンパクトモデル・ラインナップの責任者、ヨチェン・エック自ら、ユーザーがすべてを使用することはないだろう、と認めるほど。

都市部での運転にぴったりなエコ・モード

例えば、エレクトリック・モードはエンジンを回さずに走行できるモード。バッテリーセーブ・モードは、ローエミッション・ゾーンなどでの走行に備えて、バッテリーの充電量を可能な限り保つように、ガソリンエンジンを使用した走りができる。

さらにハイブリッド・モードには、コンフォートとスポーツ、エコの3つのモードが用意されている。個別設定登録が可能なインディビジュアル・モードもある。

メルセデス・ベンツGLA 250e EQパワー・プロトタイプ(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 250e EQパワー・プロトタイプ(欧州仕様)

インテリアは、基本的にGLAで共通。ただし、スタートボタンを押してもエンジンは始動しない。モニター式のデジタルメーターには、バッテリーの充電量と航続距離の表示が追加されている。

基本的に発進時は、電気モーターが担うように設定されている。自宅を出発する時は、排気音やエンジン音をお隣へ一切聞かせずに済む。

2代目へと進化したGLA 250は、通常のエンジンモデルでも熟成度が一気に高められていた。PHEV版でもそれは当てはまる。250eならではといえるのが、ドライブトレインの圧倒的な静かさだろう。

ハイブリッドのエコ・モードを選択すると、ガソリンエンジンの利用を最小限に抑え、可能な限り電気モーターで走行してくれる。とても静かで落ち着いた車内空間は、都市部での走行にピッタリだ。

バッテリーの容量は15.6kWh。リアシートの下にマウントされている。充電量が充分にあれば、日常的な運転をまかなえる航続距離を引き出せる。

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