プレミアムな内装にハンサムな容姿 マツダCX-80 PHEV(1) 総合327psのハードをチェック

公開 : 2025.12.18 18:05

CX-60の3列シート版、全長4990mmのCX-80 プレミアムな内装 操作性へ配慮された車載機能 乗り心地は改善 期待される洗練度や性能に達せず? UK編集部がPHEV版へ試乗

総合327psの2.5L PHEV 電気だけで最長61km

マツダCX-60の3列シート版と呼べる、CX-80の販売が英国でも始まった。他社とは異なる意欲的なモデルを展開してきた同社だけあって、ディーゼルエンジンが下火の欧州市場へ、それをあえて導入したと聞いても、読者の多くは驚かないかもしれない。

新開発されたディーゼルターボ・ユニットは、3.3Lと大排気量の直列6気筒。254psのマイルドハイブリッドで、CX-60から採用が始まっている。トルクが太く必要なパワーを滑らかに生み出し、UK編集部の評価は高い。

マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)
マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)

CX-80でも、それは選択可能。だが今回は、2.5L 4気筒ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた、プラグイン・ハイブリッドへ試乗している。

駆動用モーターは175psを発揮し、最高出力は総合327ps。トランスミッションは、トルクコンバーターではなく電子制御クラッチが組まれた8速ATで、四輪駆動となる。駆動用バッテリーの容量は17.8kWh。最長61kmを、電気だけで走れると主張される。

CX-60のリアを延長したスタイリング

CX-60では褒めにくかった乗り心地は、シャシーに改良が加えられ、改善されたという。ホイールベースは250mm伸ばされ3120mmあり、BMW X7より長い。

スタイリングは、CX-60のリアを延長したものと表現して良いだろう。正面から見ると、見分けがつかないほど。横へ回ると、4990mmある全長を実感する。全幅は1890mmでCX-60と同じ。全高は1713mmで、30mmほど高い。

マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)
マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)

ラジエターグリルは横に長く、奥まったヘッドライトが特有の表情を作る。ボンネットが若干不自然に長く、ボディサイドの表情はやや平面的といえるが、同クラスのSUVではハンサムな見た目だと思う。

プレミアムな内装 ゆとりの3列シート

シートレイアウトは3列で、定員は6名か7名を選べる。2列目がウォークスルーになる6シーター仕様は、小さな子供を持つ家族には魅力的かもしれない。3列目の空間が、2列目と同等に広いわけではないとしても。

2列目は前後にスライドでき、CX-60以上にゆとりある空間を得ている。長いリアドアは大きい角度で開き、乗降性も良い。

マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)
マツダCX-80 2.5 e-スカイアクティブ PHEV AWD エクスクルーシブライン(英国仕様)

近年のマツダは、プレミアム・ブランド側へシフトしようとしているが、内装へそれが明確に現れている。特に英国の上位グレード、タクミに用いられる素材は、メープルウッドにホワイト・ナッパレザーだけでなく、クロームメッキまで質感が高い。

他方、エントリーグレードでは印象にばらつきが出る。プラスチック製部品には、上質なものもあれば、そうではないものもチラホラ。もう少し統一感があるとうれしい。最後列にもUSB-Cポートが用意されるなど、装備は充実している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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