【なぜ定価の1.7倍?】フェラーリ・ローマ、チャリティ・オークションで落札 誰よりも先に手に入れる意味とは

公開 : 2020.11.02 08:25  更新 : 2021.10.11 09:37

チャリティ競売 フェラーリ人気を立証

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RM Sotheby’s

フェラーリの新型V8クーペの新車「フェラーリ・ローマ」が、チャリティ・オークションに出品され、その入札が10月29日に締め切られた。驚くべき額で落札されている。

このオークションは、「ア・フェラーリ・トゥ・ベネフィット・セーブ・ザ・チルドレン」と題されて開催された。

フェラーリの新型V8クーペ、ローマが早くもチャリティ・オークションに登場。
フェラーリの新型V8クーペ、ローマが早くもチャリティ・オークションに登場。    RM Sotheby's

オークションの収益金は、1919年に英国で設立された子どもを支援する国際NGOの「セーブ・ザ・チルドレン」寄贈される。

「セーブ・ザ・チルドレン」は、設立以来10億人を超える子供たちを支えてきた実積があり、今回の開催は、その活動に敬意を払い選ばれたものだ。

オプション満載のローマ

本チャリティ・オークションは、RMサザビーズとフェラーリ社のコラボレーションにより実現した。

出品されたフェラーリ・ローマは現在マラネッロのラインで生産に取り掛かっている1台で、ビアンコ・イタリアのボディカラーにボルドー・レザーのインテリアというカラー・コンビネーションとなる。

出品車両はビアンコ・イタリアの外装に、ボルドー・レザーの内装というコーディネート。
出品車両はビアンコ・イタリアの外装に、ボルドー・レザーの内装というコーディネート。    RM Sotheby's

オプションも満載で、外観では、カーボン製のフロント・スポイラー、リア・ディフューザー、アンダー・ドアカバーに加え、20インチ鍛造ダイアモンド・ポリッシュ・ホイール、スポーツ・エグゾースト・パイプを備える。

内装・メカニカル面では、助手席ディスプレイ、マグネライド・サスペンション、ハイパワー・オーディオなどが組み込まれ、オプションを含んだ価格は34万7995ドル(約3676万円)となるという。

落札額60万ドルは高い?

10月22日から始まったオークションは、オンラインのみで行われた。

立ち上がりはオークションの常で低調だったが、終了日となる29日の3日前には42万ドル、2日前には44万ドルと上がる。

誰よりも先に話題のフェラーリに乗る。その落札額は?
誰よりも先に話題のフェラーリに乗る。その落札額は?    RM Sotheby's

締め切り直前に入札が相次いで大きく値を上げ、最終的に60万ドル(約6300万円)で決着がついた。

このローマは、オプションを含めて3676万円なので通常価格の1.7倍にもなるが、既に生産ラインの上にあるため、すぐに納車されて手にできることが重要なポイントとなる。

納車待ち1年以上が当たり前というフェラーリ新型車のデリバリーを考えれば、このプレミアムもうなずける。

誰よりも先に話題のフェラーリ・ローマに乗れる、という優越感を欲するリッチマンのオーナーにとっては、1.7倍というお値段は問題にならないに違いない。

なお、ここでご覧いただいているローマは、同じカラー・コンビネーションのプロモーション車両で、落札者に納車されるローマとは別の車両となる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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