【マークX生産終了】セダン消滅の序章だった? 一時代を築いたマークⅡ 「3兄弟」のなかで唯一生き残った背景

公開 : 2020.12.30 16:25  更新 : 2021.10.13 12:18

セダン人気縮小を見据えた一本化だった?

結局、兄弟車がなくなった9代目となるマークIIは2004年10月まで生産が続けられ、実質的な後継車種となったマークXにバトンを受け渡すこととなるが、マークXの販売チャネルはマークII時代と同様トヨペット店のみとなり、ネッツ店に投入されることはなかった。

それどころか実はこの初代マークX登場以降、トヨタが現在に至るまでに国内市場に新規投入したミドルクラス以上のセダンは、2009年12月に発売されたハイブリッドセダンのサイ(SAI)のみであり、すでに2000年代前半の時点でセダン市場の冷え込みを感じていたトヨタはこれ以上の車種増加を止めたかったのかもしれない。

トヨタ・マークX
トヨタ・マークX    トヨタ

そもそもコロナとクラウンの間を埋めるために生まれたマークIIでさえも、最終型となった9代目ではクラウンとの部品共有化が進んでおり、マークXになってからはそれも顕著化が進んでいた。

ひと昔前であればスポーティなマークXとコンフォータブルなクラウンという棲み分けができたかもしれないが、当時のクラウン自身もスポーティ路線のアスリートシリーズが用意されたことで差別化が難しくなってしまったのではないだろうか。

そして、今後トヨタが推し進める販売チャネル制度の廃止を目の当たりにするにつれ、マークII 3兄弟の廃止は販売チャネル制度の廃止をゴールとした長期計画の一環だったのかも…と思わずにはいられないのである。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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