【2021年どう動く?】中期経営計画から見える自動車メーカー 新型投入の日産 集約のホンダ 主流は電動化か

公開 : 2021.01.02 08:25  更新 : 2021.10.09 23:41

やはり日本の自動車メーカーも電動化は避けて通れないようです。コロナ禍で各社は資源をどのように投入するのか、中期経営計画から2021年の動向を読み解きます。

次々に新型車を送り出す日産

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

日産は2020年5月に「ニッサン・ネクスト」と呼ぶ4年間の経営計画を発表している。その計画の狙いは「最適化」と「選択と集中」だ。

生産力を20%削減し、モデルラインナップも20%削減(69モデルから55以下に)に削減。一方で、C/Dセグメント、電気自動車、スポーツカーをコアモデルとして集中投資。今後18か月で12の新型車を投入すると発表している。

日産フェアレディZプロトタイプ
日産フェアレディZプロトタイプ    日産

そんな日産は計画発表後から2020年12月までにキックス(日本)、ローグ(北米)、マグナイト(インド)、ナバラ(タイ)、インフィニティQX55(北米)、ノート(日本)を発売。さらに、プロトタイプともいえるアリア、フェアレディZプロトタイプ、インフィニティQX60モノグラフを発表している。わずかな期間に9モデルを発表している。

そして、日本市場に関していえば、2019年度から2022年度までの間に、エンジン車が2モデル、ハイブリッド車が4モデル、EVが2モデルと発表されている。これまでにエンジン車のルークス、ハイブリッドのキックスとノートが発売されていることを考えれば、残るエンジン車は1、ハイブリッド車は2、EVは2となる。

このうち、エンジン車はフェアレディZとなるだろうし、EVはアリアと軽自動車のEVだろう。2モデルのハイブリッド車は不明だが、もしかすると次世代のエクストレイルかもしれない。ちなみにアライアンスを組む三菱自動車は、2021年2月に新型アウトランダーを発表するとアナウンスしている。

過去、日本市場にほとんど新型車を投入してこなかった日産だが、新体制下になり、そうした態度は改められることになったようだ。魅力的なモデルが増えることを期待したい。

ホンダはモデルの集約を実施

ホンダが掲げる大きな目標となるのが「すべての人に『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」ことを目指す「2030年ビジョン」だ。

その実現のための具体策として、「2030年の四輪車販売の3分の2を電動車とする」ことを明言している。また、GMとのEVの共同開発も進めており、2024年モデルイヤーとして2つのEVを北米で発売するとも発表している。

ホンダ・シビック(北米モデル)
ホンダ・シビック(北米モデル)    ホンダ

日本市場で言えば2019年5月に「事業方針説明会見」を実施。そこでは、「海外の6地域を市場ニーズや環境規制が近い地域同士で束ね、商品ラインアップの見直しと共有化を進めている。これにより、2025年までに、グローバルモデルは派生数を現在の3分の1に削減、地域専用モデルはより強いモデルに集約・削減することで効率を高めていく」との説明があった。

グローバルモデルとはシビック、アコード、CR-V、フィット/ジャズ、ヴェゼル/HR-Vの5モデル。地域専用モデルは軽自動車のNシリーズとなる。ホンダは2020年にフィットとアコードをフルモデルチェンジしているし、北米向けにシビックの新型も発表している。現行CR-Vの登場は2018年、ヴェゼルが2013年と考えれば、新型登場の期待が持てるのは、ヴェゼルではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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