【ミニバンを上手に運転したい】根強い人気、アルファードで検証 ふらつき/騒音・振動 専用タイヤも

公開 : 2021.01.23 08:15  更新 : 2021.10.11 13:49

ミニバンの運転って、難しくありませんか? 上手なドライビングの方法、同乗者が気分よく過ごせるアイテムを調査してみました。

ふらり、ぐらりを克服したい

text:AUTOCAR編集部
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

2020年の新車を振り返ると、ヤリス、フィット、ノートが登場するなど、ハッチバック車の当たり年だったと言える。SUVも注目が高い。

しかし、登録車の年間販売台数ランキングを見渡すと、上位にはミニバンが名を連ねる。

2020年の登録車販売のトップ10を分析すると、ミニバンが約40万台も売れている。ハッチバック勢は33万台ほど。SUVは12万台に過ぎない。依然としてミニバンの訴求力は高い。
2020年の登録車販売のトップ10を分析すると、ミニバンが約40万台も売れている。ハッチバック勢は33万台ほど。SUVは12万台に過ぎない。依然としてミニバンの訴求力は高い。    前田恵介

トップ10圏内では、アルファード、ルーミー、フリード、シエンタヴォクシーといった顔ぶれ。合計で約40万台が売れている。

軽市場で好調なスーパーハイト・ワゴンを加えると、日本の新車マーケットのざっと3分の1は、ミニバン・ハイト系が占めることになる。

これらのモデルは車高があり、重心も高いので、運転する機会があると自分の技術の未熟さを思い知らされる車種でもある。

走行中にステアリングを切るとグラっフラっ。加減速のときも、気を抜くと前後に揺すられる。こうした背高モデル特有のふらつき・騒音の対策をテストする機会があったので、レポートしておきたい。

被験車両はトヨタ・アルファード。近ごろはVIP送迎車の座をクラウンから奪いつつある。

上手に運転したいものだ。

今回は、ミニバン専用に開発されたタイヤの性能を確かめながら、理解を深めていきたい。

コツは、ロールを確かめながら

ミニバンの運転のポイントについて、ベテラン自動車ジャーナリストの方に伺ったことがある。

まずは車体のふらつき。ドライバーよりも同乗者を悩ませる挙動だ。

重心が高く、車重が重いミニバンでは、操舵時にタイヤ外側のショルダー部に負担が強くかかる。
重心が高く、車重が重いミニバンでは、操舵時にタイヤ外側のショルダー部に負担が強くかかる。    前田恵介

「おだやかに運転することが何よりも大事。頭の位置が高いから振られる」

「転舵の初期からじわじわと、ロールを確かめながら切り込んでいく感じ。ロールから横Gへ“キレイに繋がるように”切ってごらん」というアドバイスだった。

非ミニバン専用タイヤでテストを始める。

アドバイスを意識しながらステアリングを切り込むと、なかなか上手にロールしていく。が、アルファードの旋回姿勢が決まるところで後部がゆさっと振られてしまう。

何度やっても難しい。

ミニバン専用タイヤで走り直してみた。この新タイヤを近々発売する日本グッドイヤーの担当者によれば、「ミニバンでは、操舵時にタイヤ外側のショルダー部に負担が強くかかるため、その部分の剛性を高めている」という。

ステアリングを切ってロールが始まると、アウト側のショルダーがしっかりとした構造を持ち、傾くクルマを支えてくれるのが分かる。

切り込んだ量と、車体の傾きの相関関係がはっきりした感覚。ロールして、自分の身体が横Gで持っていかれるまでの繋がり・コントロールを、これなら意識できる。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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