サイレント&シームレス 新型 アウディA6 e-ハイブリッド(2) 強み沢山 Sラインの硬いサス

公開 : 2025.10.31 19:10

C9世代へ一新のA6 美ボディは初代A8に迫る大きさ 素早く直感的なモニター 上質な内装 後席と荷室は狭め サイレント&シームレスなプラグインHV 硬いSラインのサス UK編集部が試乗

サイレント&シームレスなプラグインHV

C9系へ一新したアウディA6。2.0Lガソリン・プラグイン・ハイブリッドの最高出力は総合299psあり、0-100km/h加速を6.0秒でこなす。これで遅いと感じる人は、殆どいないはず。自然なアクセルレスポンスで、エンジンとモーターの協力体制も好ましい。

7速デュアルクラッチATのギア比は間隔が広いが、駆動用モーターがギャップを巧みに埋め、1600rpmで高速巡航も可能。ムチを入れると、やや工業的な響きが遠くから聞こえる。上質さや力強さは、3.0L V6エンジンに届かない。

アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)
アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)

プラグインHVだから、電力量が充分ある限り、普段はEVモードで走る。センターコンソールのボタンで、EVモードを任意に指定もできる。右足を踏み込むか135km/h以上ではエンジンが目覚めるが、サイレント&シームレスで殆ど気付かない。

EVモード時は、回生ブレーキの強さをパドルで調整可能。タッチモニターのメニューで、希望の充電量を保つこともできる。例えば70%を指定すれば、走行時はその割合まで充電が優先される。

硬いSラインの乗り心地 躍動的な旋回性

試乗車は21インチ・ホイールを履いたSラインだったが、乗り心地は正直硬い。高速道路なら、路面の凹凸をある程度滑らかにいなし、A6らしい快適性へ浸れる。しかし、ツギハギの多い都心や郊外では、BMW 3シリーズのMスポーツ並みに揺れが届く。

走行中の車内は、感心するほど静か。防音材が先代から30%増量され、ドアシールやエンジンマウントが改良された効果が出ている。ホイールの直径を落とし、エアスプリングを組めば、快適性や静寂性は更に増すに違いない。

アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)
アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)

パワーステアリングの剛性が強化され、フロントの高いグリップ力と相まって、コーナリングは躍動的。アクセルペダルの加減では、ヘアピンカーブでオーバーステアへ持ち込むことも難しくない。

機敏な操縦性や一体感では、BMW 5シリーズの方が上だろう。それでも、メルセデス・ベンツEクラスに劣らない運転体験を享受できる。

高効率なディーゼル・マイルドHVがベストかも

試乗での燃費は、バッテリー残量が少ない状態で110km/h巡航し、平均14.2km/Lと優秀。2.0Lディーゼル・マイルドHVのTDIなら、17.7km/h以上を狙えるけれど。

EVモードの電費は4.0km/kWhで、フル充電なら約80km電気だけで走れる計算になる。定期的に充電できるなら、普段使いでガソリンは殆ど燃やさずに済むだろう。

アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)
アウディA6 e-ハイブリッド・ローンチエディション・クワトロ(英国仕様)

ちなみに、2.0LガソリンターボのTSFIは、トルクがやや不足気味だった。2.0LのTDIは、太い低域トルクでレスポンスが軽快。ある程度の電動アシストも加わり、現状ではベストなA6のパワートレインかもしれない。

英国価格は、ベースグレードのTFSIで約5万2000ポンド(約1061万円)から。先行販売されるe-ハイブリッドのローンチエディションは、7万455ポンド(約1437万円)。ステーションワゴンのアバントは、2000ポンド(約41万円)増しとなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

新型 アウディA6 e-ハイブリッドの前後関係

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