しっくり来ない運転姿勢や操作系

運転姿勢がしっくり来ないのも従来どおり。平均より身長が高い筆者の場合、ペダルは手前すぎ、それ以外の操作系は遠すぎる。これもフェイスリフト前から気になっていた点だが、ルノーは改めなかったようだ。

マニュアル操作が可能なシフトパドルの位置も、ステアリングホイールに対して高すぎる。シフトパドルの操作の度にステアリングを握り直すのは、スマートではない。

MTが消滅しただけに、操作しにくく感じる人の数はこれまでより多くなるだろう。せっかくダイレクトなステアリングラックが備わり、しっかりリムを握っていたいと思えるだけに、少々残念に思う。

一方で、オプションとなるバケットシートは座り心地も良く、必要な場所に適切なサイドサポートが付いている。少々狭いペダルまわりの空間にドライバーが我慢できれば、車内は大人4名でも快適に過ごせる。

走り出せば、メガーヌR.S.トロフィーの変わらないタイトなキャラクターにうれしくなる。パワフルなターボエンジンに引き締まったサスペンション、クイックな四輪操舵にトルセンLSD。カーブの続く郊外の道でも、超がつくほど積極的に運転を興じれる。

ちなみに試乗日は、路面の濡れた寒い1日だった。このコンディションは、メガーヌR.S.トロフィー向きではない。気温が高く乾いた路面なら、印象は多少ならず違っていただろう。英国では、なかなか巡り会えないのだけれど。

この続きは後編にて。

画像　ルノー・メガーヌR.S.　競合ホットハッチと見比べる　全121枚