【手頃なEVのベストチョイスは?】マツダかミニか 各ブランドの性格が顕著 短所は大差なし

公開 : 2021.01.30 20:59

明確な各ブランドの個性

たしかに、MX-30の魅力はミニよりも上品なものだが、間違いなく存在する。ステアリングは、電動クロスオーバーとしては完成度が高く、まっとうなスポーツカーが備えていても場違いではないくらいのものだ。

もっとも驚いたのは、ミニのステアリングよりコミュニケーション性に優れていることだった。そして、ギア比の設定とロールレートが完璧にマッチングしている。さすがはマツダだ。

どちらも、各ブランドの走りのアイデンティティをうまく落とし込んでいる。目隠しして乗っても、メーカーを言い当てられるはずだ。
どちらも、各ブランドの走りのアイデンティティをうまく落とし込んでいる。目隠しして乗っても、メーカーを言い当てられるはずだ。    OLGUN KORDAL

最高に楽しいのは、指先の軽い動きだけで道を縫って走るときだ。なめらかなボディの動きと合わせて、巧みに推進力を維持するようにすれば、結果として電費も稼げる。

ミニのように走らせようとすれば、追い立てられるような運転になり、グリップと動力性能の不足にフラストレーションを溜めることにもなってしまう。むしろ小さくて非力なMX-5と同じような運転をしたほうが、思いがけず優秀なドライバーズカーだとわかることになるだろう。

実際のところ、これら比較的小さく安価な2台のEVは、どちらもこのカテゴリーの進化の明らかな見本とはいえない。だが、どちらも等しく大成功を収めているのは、各ブランドの走りのアイデンティティを、電動モデルにうまく落とし込んでいる点だ。もし目隠しして乗っても、どのメーカーが造ったクルマか秒でわかるはずだ。安心してほしい。

では、どちらがこの対決の勝者か。マツダの控えめな気楽さや巧妙な仕上げは心地いいはずだ。とはいえ、週末を楽しむパートナーに選びたいのは一台だけ。それが答えだ。

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