ホンダ・ヴェゼル HYBRID Z

公開 : 2014.01.22 22:00  更新 : 2017.05.29 19:09

■どんなクルマ?

2013年の初頭に開催された北米国際自動車ショー(デトロイトショー)にて、『アーバンSUVコンセプト』として披露されたコンパクトサイズのSUVモデル。FIT3と同様のセンタータンク・レイアウトシャシーを採用し、スタイリッシュなエクステリアと居住性に優れた室内空間、そして新世代ハイブリッド・システムを軸とした動力性能をプラス。コンパクトクラスながら、大人がスマートに乗りこなす上品で質の高い仕上がりが特徴的だ。

ラインナップは1.5ℓDOHC×ハイブリッドと、同じく1.5ℓDOHCのガソリン・エンジンの2モデル。それぞれ装備の差異により数グレードが展開され、FFだけでなく4WDモデルも用意される。なお、先立って登場したFIT3は4WDモデルの発売が遅れていたため、このヴェゼルがホンダとして初の『ハイブリッド+4WD』を採用したモデルということになる。

■どんな感じ?

クルマに乗り込む前に周囲を一周して感じることは、キャラクターラインの鋭さと強調ぶりだ。とくにフロント・ドアからリア・フェンダー上に伸び、そのままCピラーへと繋がるラインはまるでスポーツ・クーペを想像させる。リアのドア・ノブがCピラー内蔵式となっていることも、その印象に拍車をかけている。開発陣からは『SUVの土台にスペシャリティ・クーペのウワモノを組み合わせた』との声も聞こえたが、それも納得のスタイリングだ。

そしてドアを開けると、ジャズブラウンが艶やかなインテリアが迎えてくれる。ピアノブラックをメインとしたインパネにレザーをイメージさせるジャズブラウンの組み合わせは、最上級モデルとなるHYBRID Zの専用設定となるのは残念だが、エクステリアのイメージともっとも合っているのはこのインテリアカラーだと思う。シートも中央部にブラウンカラーを配した専用のものとなり、見た目だけでなく触り心地や包み込むようなサポート性にも優れている。またドア内側に備わるアームレストの幅にも拘り、高級セダン並みのシート・ポジションを実現している。

走り出してみると、同じ1.5ℓハイブリッドを搭載するFIT3とは明らかに異なる、質量の重いボディを緩やかに加速させていく感覚が得られる。一般的なセダンから+100mm高められたアイポイントにより、見晴らしのよさも印象的な。このヴェゼルに搭載されるのは、同じ1.5ℓながら直噴DOHCにハイブリッド・システムを組み合わせたもの。車重増加分を補うべく、より豊かなトルクを発揮する仕様となっている。

実用性に関しても触れておこう。スタイリングこそスペシャリティ・クーペを連想させるものだが、ヴェゼルの車体内部は大人5人が快適に移動するに十分な空間が確保されている。ラゲッジルームも広く、5人が乗車した場合でも393ℓの荷室容量を確保。乗員分の旅行カバンが入るだけの容量が確保されている。

■「買い」か?

いわゆるコンパクトクラスのクルマを想像してヴェゼルを眺めると、その内装の質感の高さや充実した装備、そして1.5ℓハイブリッドとi-DCD(7速デュアルクラッチ)がもたらす走行性能に驚くだろう。すべての面で、クラスレスの存在といえるSUVだ。しかし、いかにもホンダらしい軽快な走りを楽しみたい……という想いが少しでもあるならば、ガソリン・エンジンのモデルを試乗することをオススメしたい。

初期受注の段階ではハイブリッドが約86%を占めるなど、ヴェゼル=ハイブリッドの印象は強いが、より軽量な車体を持つガソリン・エンジン車はコンパクトハッチのような走りを見せてくれる。直噴ユニットゆえか、配される遮音材の量に違いがあるのか、あるいはその両方なのか。運転席に進入するノイズは明らかに大きいけれど、右足の動きにダイレクトに反応するピックアップの良さは印象的。組み合わされるCVTのマナーも良く、決してハイブリッドの廉価版としてのガソリンエンジン車ではない。隠れた本命といえば、こちらかもしれない。

(佐橋健太郎)

ホンダ・ヴェゼル HYBRID Z

価格 250万円(FF)
燃費 24.2km/ℓ
CO2排出量
乾燥重量 1300kg
エンジン 直列4気筒1496cc DOHC
最高出力 132PS/6600rpm + 29.5PS/1313-2000rpm
最大トルク 15.9kg-m/4600rpm + 16.3kg-m/0-1313rpm
ギアボックス i-DCD 7速デュアルクラッチ

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