【動的性能x実用性能】メルセデスAMG E 53 ステーションワゴンへ試乗 マイルドHV 後編

公開 : 2021.03.14 08:25

動的性能と実用性、価格とのバランス

ステアリングやエンジン、9速AT、サスペンションには設定の選択肢がふんだんに用意されている。インディビジュアル・モードを選べば、好きな設定を個別に組み合わせて保存できる。

筆者の意見では、サスペンションはコンフォートが一番ベターだと感じた。路面の起伏と呼吸を合わせるようにタイヤが動き、市街地でも高速道路でも、しなやかな乗り心地が得られる。

メルセデスAMG E 53 4マティック+ ステーションワゴン・ナイトエディション(英国仕様)
メルセデスAMG E 53 4マティック+ ステーションワゴン・ナイトエディション(英国仕様)

ナイト・エディションでは、20インチのホイールとヨコハマ社製のタイヤが組み合わされる。荒れた路面でのノイズが少々大きく、衝撃も強めに届くようではあった。

Eクラスが該当するパフォーマンス・モデルの中で、使い勝手が良く、ラグジュアリーで走りが良いドイツ製の高速ステーションワゴンは貴重な存在といえる。英国での価格も6桁ポンド(1450万円)は超えていない。

筆者は、E 53の実用性に強く惹かれる。ステーションワゴンなら、1800Lを越える容量の荷室が付いてくる。BMW M550iで、ツーリングは選べない。アウディS6 アバントは、英国ではガソリンエンジンが選べない。

E 53は、メルセデスAMGに期待するほどのパワー感はないかもしれない。でも高速での燃費は12.4km/Lに迫り、満タンで640kmを走りきれる。目的地めがけて、安心して身を委ねられる。ねじ伏せながら、機敏に駆け抜けるタイプではない。

V8エンジンが備えるドラマ性や、低回転域からのみなぎるトルクと、天秤にかけて考えると良いだろう。E 53ならではの説得力も見えてくるはずだ。

メルセデスAMG E 53 4マティック+ ステーションワゴン・ナイトエディション(英国仕様)のスペック

価格:7万3395ポンド(1064万円)
全長:4945mm(標準Eクラス)
全幅:1852mm(標準Eクラス)
全高:1460mm(標準Eクラス)
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:10.4-10.5km/L
CO2排出量:219g/km
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列6気筒2999ccツイン・ターボチャージャー+電動スーパーチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:435ps
最大トルク:52.9kg-m
ギアボックス:9速オートマティック

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