こんなの見たことない… 不思議な姿で保管されるクラシックカー 20選(後編) ジャンクヤード探訪記
公開 : 2025.12.07 11:45
米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、砂漠地帯にもかかわらず車体を地面から浮かせて保管している、アリゾナ州の珍しいヤードのレポートをお届けします。
もくじ
ープリムス・ヴァリアント(1962年)
ープリムス・フューリー(1968年)
ーナッシュ・メトロポリタン(1954年)
ーフォード・ステップバン
ーポンティアック・ルマン(1968年)
ーフォード・ギャラクシー(1965年)
ーフォード・ランチェロ
ーバス
ーフォード・サンダーバード(1965年)
ーフォード・サンダーバード(1968年)
ー著者について
プリムス・ヴァリアント(1962年)
「1962年、ヴァリアントのコストパフォーマンスに敵うクルマはない! 発売当初から変わらず、コンパクトカーの王者だ」と当時の販売資料には謳われていた。プリムス・ヴァリアントの全長は183.7インチ(約4665mm)、全幅は70.4インチ(約1788mm)。フォルクスワーゲン・ビートルより全長で20インチ(500mm)以上、全幅で3インチ(75mm)以上大きいが、1960年代初頭の米国自動車基準では依然コンパクトだった。
ヴァリアントは売れ行きが良く、初代モデル(1960年から1962年)は50万台が販売された。この個体は1962年式で、同年に買い手を見つけた14万5353台のうちの1台だ。

プリムス・フューリー(1968年)
アリゾナ州サッチャーの年間降水量は約250mmで、全米平均の965mmを大きく下回る。これが、バレー・オート・レッキングのジャンクヤードで錆が少ない理由だ。この1968年式プリムス・フューリーIIIには錆がほとんど見られず、ここに来るにはあまりにも状態が良すぎるように思える。

ナッシュ・メトロポリタン(1954年)
この1954年式ナッシュ・メトロポリタン・クーペの修復には多額の費用がかかるが、レストアが不可能というわけではない。1953年から1961年にかけて生産されたこの愛らしいコンパクトカーは決して大ヒットにはならなかったが、驚くほど高い現存率を示している。米国のジャンクヤードには必ずと言っていいほど、1台は引き取り待ちの状態で置かれている。

フォード・ステップバン
1950年代初頭のフォードF3ステップバンは、同時代のライバル車であるインターナショナルほど熱心なファンがいないようだ。つまり、まだ多くの車両がジャンクヤードで放置され、救出を待っている状態である。この錆のない個体も、修復されてコーヒーやハンバーガーの移動販売車に改造されるのを待ち望んでいる。もちろん、新しいエンジンを調達する必要はあるが。

ポンティアック・ルマン(1968年)
1968年式ポンティアック・ルマンは走行性能に優れていたが、この個体は4本のリムの上に載せても完璧な安定性を誇っている……。
このハードトップのボンネットの下には何が積まれていたのだろうか。エントリーレベルのエンジンは4.1L直列6気筒だった。175psを発生し、0-97km/h加速は10.4秒だった。ただし、320psの5.8L V8エンジンなら、このタイムを3秒短縮できた。


















