【スマートフォンで注文できる】フォルクスワーゲン・トリニティ 未来の旗艦モデル 2026年発売予定

公開 : 2021.03.26 06:25

VWは新型EVのプロジェクト・トリニティを開発中で、車両性能やビジネスモデルの再発明を目指しています。

「新しい基準」を打ち立てる新型EV

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

フォルクスワーゲンが2026年に発表する新型車「プロジェクト・トリニティ」は、最先端のEVセダンとして自動運転を実現するとともに、ほとんどの機能をダウンロードサービスとして提供する新たなビジネスモデルを導入する予定だ。

この次期フラッグシップモデルは、これまでにも「アイコニックなデザインの高効率フラットシートコンセプト」と説明されてきた。フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディース会長によると、近い将来、目玉となる新機能が斬新なスタイルのコンセプトでプレビューされることになるという。

プロジェクト・トリニティ
プロジェクト・トリニティ    フォルクスワーゲン

このコンセプトでは、インテリアに重点を置いていることが示唆されているが、トリニティが市販化された際のエクステリア・デザインを予告するものではなさそうだ。

このセダンは、同社の先進的なEVアーキテクチャーを採用する。これにより、走行技術やコネクティビティの面で、より高度なシステムを導入することが可能になる。

フォルクスワーゲンは、航続距離と充電速度の面でも「新しい基準を打ち立てる」ことを計画しており、従来のガソリンスタンドと同等の速さで充電できるようになるとしている。

プロジェクト・トリニティは2026年に発売され、レベル2以上の高度な運転支援システムを搭載する。フォルクスワーゲン・ブランドのラルフ・ブランドシュテッターCEOは、2030年までにレベル4(特定の道路で完全な自動運転が可能)にアップグレードされるだろうと述べた。

仕様のバリエーションは大幅縮小

ブランドシュテッターは、プロジェクト・トリニティを「わたし達のソフトウェア・ドリーム・カー」と表現し、バリエーションの数を大幅に削減した、まったく新しいビジネスモデルを導入するとコメント。購入者が選択できるのは、バッテリーのサイズ、ボディーカラー、ホイールの仕様だけだ。

また、必要に応じて特定のハードウェア機能の有効・無効を切り替えられるほか、無線アップデートで新機能をダウンロードできるようになる。

プロジェクト・トリニティ
プロジェクト・トリニティ    フォルクスワーゲン

ブランドシュテッターは次のように語っている。

「バリエーションの数を徹底的に減らすつもりです。トリニティでは、ハードウェアはほぼ統一されており、バッテリー容量、カラー、ホイールを選択して、スマートフォンで注文します。機能は自分で設定でき、デジタルシステムを通じて機能を追加することができます」

ブランドシュテッターは、こうした機能をアップグレードで提供することは、「トリニティがタイムマシンになる」ことを意味すると述べた。自動運転システムには、フォルクスワーゲンが構築を目指している、道路や交通などのリアルタイムデータをすべてのコネクテッドカーが共有する「ニューラル・ネットワーク」が活用される。

価格の詳細は決まっていないが、ブランドシュテッターによると、プロジェクト・トリニティは「主流市場に向けて新技術を大量に投入する」ことを目的としているという。さらに、「トリニティによって、フォルクスワーゲンは再び量産車に未来をもたらします」としている。

プロジェクト・トリニティの市販モデルはドイツ・ウォルフスブルクで生産される予定で、同社は「今日の生産を改革する」とも述べている。ハードウェアのバリエーションを減らすことで、複雑さを軽減して生産時間を劇的に短縮するとともに、新しい生産技術を導入するという。

同じフォルクスワーゲン・グループ傘下のアウディも、「アルテミス」と名付けられた先進的なEVプラットフォームを開発しており、これはアウディ、ベントレーポルシェのハイエンドモデルに採用される可能性が高い。ブランドシュテッターは、この2つのプロジェクトを「補完関係にある」とし、プロジェクト・トリニティがグループ内のソフトウェア開発の重要な推進力となることを示唆している。

プロジェクト・トリニティは、同社の新戦略Accelerateの重要な部分を占めており、特にコネクテッド・サービスやアップグレードによる新しいビジネスモデルの開発を目指している。

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