【車中泊の隠し技】横開きのポップアップルーフ? 進化する軽キャンピングカー

公開 : 2021.05.13 06:45  更新 : 2021.10.11 11:32

エブリイの軽キャンパーに、一風変わった「ポップアップルーフ」を装着。横開きの構造になっているのです。内部を撮影してきました。

エブリイベースの軽キャンパー、新オプション

text&photo:Hidenori Takakuwa (高桑秀典)

軽自動車をベースとしたキャンピングカーでは思うように確保できないのが、就寝スペース。

島根県のスマイルファクトリー社は、エレベータールーフによって空間を創出し、ベッド下に大きな収納スペースまで設けた「ルアナ」をいち早くリリースするなど、常に時代をリードしている存在だ。

スマイルファクトリー社の一部の軽キャンパーにオプション設定される横開きポップアップルーフ。写真は、「オフタイム・トラベラー2ポップアップルーフ」(神奈川キャンピングカーフェア in 相模原)
スマイルファクトリー社の一部の軽キャンパーにオプション設定される横開きポップアップルーフ。写真は、「オフタイム・トラベラー2ポップアップルーフ」(神奈川キャンピングカーフェア in 相模原)    AUTOCAR JAPAN編集部

そんな、アウトドア・フリーク注目のキャンピングカービルダーが、またまた新しい提案をしてくれた。

横開き構造のポップアップルーフ(特許出願済/意匠出願済)というオプションの販売を開始したのだ。

4月に開催された神奈川キャンピングカーフェア in 相模原において、「オフタイム・トラベラー2」に、そんなポップアップルーフを装着した仕様を展示し、数多くのアウトドア・フリークがその独創性と完成度の高さを自身の目で確認した。

横開きポップアップルーフ 内部を撮影

そもそもポップアップルーフとは、天井が上に開いて車内スペースを拡張する仕掛けのこと。

その多くは、ルーフの短辺を支点として片方が持ち上がり、三角形を形づくるタイプだ。また、全体がエレベーターのようにポップアップするタイプも存在する。

ポップアップルーフの内部は、幅は1070mmながら、長さ1800×高さ1000mmという形状。横開き構造のため、普通のテントに近い空間使いになる。
ポップアップルーフの内部は、幅は1070mmながら、長さ1800×高さ1000mmという形状。横開き構造のため、普通のテントに近い空間使いになる。    高桑秀典

前者は三角形の内角が小さい部分がデッドスペースになりがちで、後者は持ち上げることができるルーフの高さに限界がある。そのため、どうしても窮屈な体勢を強いられることがあるのだ。

スマイルファクトリーの横開きポップアップルーフの場合、ボディ右側のルーフサイドパネルを支点にして開く。

ルーフが持ち上がると一般的なテントのような形状となるのが特徴で、その内部には、幅が1070mmながら、長さ1800×高さ1000mmという居住空間が出現。

屋根のうえに現れたテントを、最大2名のリビング/ベッドスペースとして活用できる。

つまり軽キャンパーにて、4名乗車、2リビング/2ベッドルーム、最大4名就寝を実現して、これまで以上にさまざまなシーンで使うことが可能となるのだ。

スマイルファクトリーの「オフタイム」3車種に

ふたり旅であれば、ポップアップルーフを広げ、車室上部(本来のルーフ部)の3分割ベッドを収納することで、テントの天井まで2mという高さを確保できる。

実際に体験してみたが、この状態なら、車内で立って着がえることもできるのであった。

車室のベッドスペースは、長さ1800×幅1200×高さ1000mmを確保。3分割の天井を取り払えば、高さ2mの空間になる。
車室のベッドスペースは、長さ1800×幅1200×高さ1000mmを確保。3分割の天井を取り払えば、高さ2mの空間になる。    高桑秀典

横開きポップアップルーフは、スマイルファクトリーがリリースしている「オフタイム・トラベラー2」「オフタイム・トラベラー3」「オフタイム・和(なごみ)」にて選択可能なオプションで、価格は107万8000円。

今回の展示車である「オフタイム・トラベラー2(4WD車)」の車両本体価格は、258万7827円。

ベース車両はスズキエブリイで、天井大型収納、大型テーブル、タオル掛け+ハンガー掛け、ベッド下収納庫、内装断熱材仕上げ、ベッドマット、サイドポケット、カウンターテーブルが標準装備となる。

ソーラーパネルセット、サイドオーニング、カーテンセット、横開きポップアップルーフなどのオプションを装備している現車は413万27円というプライスだ。

記事に関わった人々

  • 高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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