フォルクスワーゲン新型『IDクロス』発表 電動版Tクロスとなるコンパクトクロスオーバー ラウンジ風の車内に物理ボタン多数搭載

公開 : 2026.07.17 11:45

フォルクスワーゲンは新型EV『IDクロス』を正式発表しました。航続距離は最大427kmで、ルノー4 Eテックなどのライバルとなるコンパクトクロスオーバーです。ラウンジのような室内空間と物理ボタンを特徴とします。

Tクロスよりわずかに大型化

フォルクスワーゲンは、新型のコンパクト電動クロスオーバー『IDクロス(ID. Cross)』を発表した。実質的に『Tクロス』のEV版という位置づけで、欧州市場ではルノー4 Eテックやフォード・プーマGen-Eなど数多くのライバルと競合することになる。

新型IDクロスは、フォルクスワーゲン・グループの新しいMEB+プラットフォームをベースにした4台目のEVで、『IDポロ』、クプラ・ラバル、スコダ・エピックと兄弟車となる。このMEB+は、より大型の『ID.3』や『ID.4』を支えるプラットフォームを簡略化したバージョンである。

フォルクスワーゲンIDクロス
フォルクスワーゲンIDクロス    フォルクスワーゲン

ボディサイズは、全長4153mm、全幅1794mm、全高1581mm、ホイールベース2601mm。内燃機関搭載のTクロスと比べると全体的にわずかに大きくなっているが、フォルクスワーゲンは電気系統の配置を工夫することで室内空間が大幅に改善されたとしている。トランク容量は475Lで、Tクロスより20L多く、さらに充電ケーブルを収納するための22Lのフロントコンパートメントも備えている。

落ち着きのあるインテリア

フォルクスワーゲンのデザインディレクター、アンドレアス・ミント氏は、IDクロスのインテリアについて「友人のような親しみやすさ」を感じられるように設計されていると述べた。センターコンソール、ダッシュボード、ドアパネルにはファブリックが使用されており、アンビエントライトと相まって、ラウンジのような雰囲気を醸し出すという。

エルゴノミクスにも重点が置かれている。IDポロと同様に、ステアリングホイールやダッシュボードには物理ボタンが配置され、従来のタッチスクリーン操作やハプティック(触覚)フィードバックに比べ、操作に対するより確かな手応えが得られるようになっている。

フォルクスワーゲンIDクロス
フォルクスワーゲンIDクロス    フォルクスワーゲン

また、運転席と助手席のどちらからも手が届きやすいよう、センターコンソールにはインフォテインメント・システムの音量調整や曲送りなどを行う小さなロータリー式コントローラーが設置されている。

ミント氏は、こうした物理ボタンが車内に「安定感」をもたらすと述べた。同氏は以前、AUTOCARの取材に対し、当初ボタンを廃止したのは「間違い」だったと語っていた。今後はすべてのフォルクスワーゲン車にボタンを搭載する方針で、IDクロスにもその設計思想が反映されている。

航続距離は最大427km

IDクロスには、最高出力115ps、135ps、211psの3種類のフロントモーターが用意される。バッテリーは2種類あり、容量37kWhのリン酸鉄リチウム(LFP、航続距離315km)と、52kWhのニッケル・マンガン・コバルト(NMC、航続距離427km)から選択できる。

37kWhバッテリーは最大90kWで充電可能で、52kWhバッテリーでは最大105kWに対応する。いずれも、10%から80%までの充電を30分未満で完了できるという。

フォルクスワーゲンIDクロス
フォルクスワーゲンIDクロス    フォルクスワーゲン

これは、ライバルであるルノー4 Eテックを上回る性能だ。ただし、ルノーは新しいモーターの導入により、航続距離と出力の両方を向上させるアップデートを間もなく実施する予定だ。

IDクロスの価格は、最もベーシックな仕様で2万7995ユーロ(約520万円)から、211psのモーターと52kWhバッテリーを搭載する上級仕様で3万6525ユーロ(約680万円)からとなる。一部市場ではすでに先行販売が始まっており、納車は今年後半に開始される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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