フォード・フィエスタ 1.0 ゼテック

公開 : 2014.02.21 22:20  更新 : 2017.05.29 18:54

■どんなクルマ?

フォードフィエスタのノンターボ・バジョンがこのフィエスタ1.0だ。エコブースト・ターボ・エンジン搭載車と違いは先ずそのネーミングにある。1.0の後に ”T” の文字がなくなり、エコブーストという名前も失う。そのエンジンは、1.0ℓの3気筒、ノーマル・アスピレーションで、80psと10.6kg-mのパワー、トルクを持つ。これに対し、1.0ℓエコブースト・エンジンは20ps、6.6kg-m大きいパワー、トルクを持つ。

それでもその経済性はエコブーストとほぼ同じで、23.3km/ℓの燃費と99g/kmのCO2排出量をマークする。実用燃費も18〜19km/ℓだと思われる。

■どんな感じ?

エコブーストを搭載したフィエスタよりも確かに洗練さという面では一歩劣っているかもしれない。もし、あなたがエコブースト・エンジンに乗った経験があるのならば、その非力さには失望することだろう。スロットルを積極的に開けてやらなければならないため、そのエンジン・ノイズも大きい。最高パワーは6300rpm、ピーク・トルクは4100rpmと比較的高回転で発生するため、ピーキーに感じるかもしれない。

そういうわけで、交通の流れに落ち着いて乗るためには、エンジン回転を上げてやる必要があるのだ。ちなみに、0-100km/h加速のタイムは14.9秒と、エコブースト・モデルよりも3.7秒も遅い。

しかしながら、まったくもって魅力がないエンジンかといえばそうではない。街中を走る分には充分なパフォーマンスであり、バックグランドで騒々しいサウンドを立てるエンジン・ノイズもすぐに慣れてしまうレベルにある。また、高速道路でも不自由はあまり感じない。長い上り坂で加速をするためにシフトダウンする時に、そのパワーのなさに気付くぐらいだ。そのような状況下になければ、フィエスタ1.0は充分に使い物になるクルマである。

テストしたゼテック・トリムは必要にして充分な装備もなされており、ドライビング・ポジションも併せて実に現代的なコクピットだ。些か流行遅れの15インチという小径のホイールを履くが、そのため乗り心地は素晴らしく、ハンドリングも洗練されており、機敏なシャシーを兼ね備えていた。

■「買い」か?

このノンターボの3気筒は、フィエスタの最も安いモデルに位置づけられている。それでも、トリムは中間のゼテックと、豪華なタイタニウムのみの設定だ。もしそれよりも質素なモデルを選ぶとするならば、1.25ℓ4気筒のフィエスタ1.25スタジオを選ばなくてはならない。

価格は、3ドアが£13,395(228万円)、5ドアが£13,995(239万円)で、これは1.25の4気筒ゼテックよりも£500(8.5万円)高く、1.0Tエコブーストよりも£500(8.5万円)安い。

われわれのアドバイスは、購入する前に是非試乗をすることをおすすめする。エントリー・レベルの3気筒エンジンのフィーリングが気に入れば、問題なく購入をおすすめする。しかし、余分に£500(8.5万円)を用意する手立てがあるのなら、1.0Tエコブーストは試乗しないほうが良いだろう。そのほうが、良いに決まっているのだから。

(トム・ディクソン)

フォード・フィエスタ 1.0 ゼテック

価格 £13,995(239万円)
最高速度 165km/h
0-100km/h加速 14.9秒
燃費 23.3km/ℓ
CO2排出量 99g/km
乾燥重量 1045kg
エンジン 直列3気筒999cc
最高出力 80ps/6300rpm/td>
最大トルク 10.6kg-m/4100
ギアボックス 5速マニュアル

▶ 国内初試乗 / フォード・フィエスタ1.0エコブースト
▶ 海外初試乗 / フォード・フィエスタSTマウンチューン
▶ 海外初試乗 / フォード・フィエスタST-2
▶ 海外初試乗 / フォード・フィエスタST
▶ 海外初試乗 / フォード・フィエスタ1.0エコブースト・ゼテック
▶ 海外初試乗 / フォード・フィエスタ1.0エコブースト・タイタニウム

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記