【日本版グッドウッド】サイドウェイトロフィー、袖ヶ浦で開催 現地レポート

公開 : 2021.05.31 16:25  更新 : 2021.10.09 22:28

レース全体の雰囲気に古き佳き世界観。袖ヶ浦で開催されたサイドウェイトロフィーの現地レポートです。

日本のグッドウッド? その意味とは

editor:Taro Ueno(上野太朗)

日本でもいくつかの主催団体がクラシックカーレースを開催している。

1998年に初めて開催された「グッドウッド・リバイバル・ミーティング」は、それまでのクラシックカーレースのスタイルに風穴を開けることになった。

「サイドウェイトロフィー」は、当時の意匠を、ドライバーやパドックにいる人の服装、そしてサーキットに飾る看板等の雰囲気にもこだわる。
「サイドウェイトロフィー」は、当時の意匠を、ドライバーやパドックにいる人の服装、そしてサーキットに飾る看板等の雰囲気にもこだわる。    吉田拓生

また、この記事のメインとなる「サイドウェイトロフィー」は、クラシックカーレースの中で最も個性的と言えるものかもしれない。

クラシックカーが新車として生産されていた当時の意匠を、ドライバーやパドックにいる人の服装、そしてサーキットに飾る看板等の雰囲気にもこだわる。

クラシックカーレースのこういった風潮は、イギリスのグッドウッドに端を発したもの。

レースなのでレギュレーションは存在するが、しかし意匠の統一を訴える人はあまりいなかった。

レースカーの現役時代に合わない色やステッカーで装飾し、タイヤは年々高性能化していくセミレーシングタイヤを履かせることが常識だったのだ。

サイドウェイトロフィーの起源は2004年。実際にグッドウッドを訪ね、リバイバルミーティングを目の当たりにした有志によってスタートを切っている。

「サイドウェイ」の意味は「横滑り」

オリジナルの雰囲気を重視した車両の参加だけを認め、ラップタイムに拘らないレース作りを目指すサイドウェイトロフィー。

SIDEWAYとはイギリス人が好む必然的なドリフト=横滑りを意味している。

バイアス構造のクラシック・レーシング・タイヤであるダンロップCR65に代表されるタイヤを使用することで、車両は比較的容易に横滑りし、見る者の心も熱くする。
バイアス構造のクラシック・レーシング・タイヤであるダンロップCR65に代表されるタイヤを使用することで、車両は比較的容易に横滑りし、見る者の心も熱くする。    吉田拓生

バイアス構造のクラシック・レーシング・タイヤであるダンロップCR65に代表されるタイヤを使用することで、車両は比較的容易にサイドウェイし、ドライバーだけでなく見る者の心も熱くする。

現代のハイグリップタイヤより車両にストレスが掛からない点もメリットといえるだろう。

サイドウェイトロフィーは袖ケ浦フォレストレースウェイ(FRW)をホームサーキットとしており、春と秋の年2回開催。

ちなみに「ザ・フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー」と名称を変えてから、来年で10周年を迎える。

昨年は新型コロナウイルスの影響によって春のレースが中止となってしまったが、今年の春は感染防止の為の対策を施したうえで、5月30日に開催された。

グッドウッド・リバイバルがそうであるように、サイドウェイトロフィーの中にはモーターサイクルのレースも含まれている。

クラス分けの詳細については、次項で詳しく見ていこう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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