【緊急車両に採用】マセラティMCプーラとアルファ・ロメオ・ジュリアをイタリア国家憲兵隊が導入
公開 : 2025.11.04 08:05
イタリアの法執行機関『カラビニエリ』が血液や臓器の緊急輸送車両として、『マセラティMCプーラ』と『アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ』を導入しました。カラビニエリとは、陸海空の軍隊に並び立つ警察組織で『国家憲兵隊』『警察軍』などと訳されます。
イタリア国家憲兵隊で納車式
2025年10月27日に、イタリアのローマにある国家憲兵隊『カラビニエリ』の総司令部において、移植用の臓器や血液などの緊急輸送用車両として導入される、『マセラティMCプーラ』と『アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ』の納車式が執り行われた。
両車両には、臓器や血液の迅速で安全な輸送をサポートする特別装備が搭載されており、医療任務において最大限の効率性を発揮する仕様となっている。

納車式にはカラビニエリ総司令官のサルヴァトーレ・ルオンゴ氏をはじめとした代表団とステランティス・グループCEOのアントニオ・フィローザ氏などが出席した。
高性能モデルを緊急車両として配備
今回緊急輸送用車両としてカラビニエリに配備された『マセラティMCプーラ』は、特許を取得したプレチャンバー技術を採用した630psのツインターボV6『ネットゥーノ』エンジンを搭載する高性能クーペである。
カーボンファイバー製モノコックと最新世代の技術的ソリューションにより、過酷な条件下でもスピードと安定性を発揮する。

一方、『アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ』は520psのツインターボV6エンジンと機械式セルフロッキング・ディファレンシャル、後輪駆動、スポーツサスペンションに加え、現場での運用に対応した安全装備を搭載している。
これらのモデルは、イタリアの技術力を象徴するものであり、高性能、信頼性、安全性を兼ね備え、カラビニエリが公共任務を遂行するうえで求められる、実務上のニーズにも対応しているのである。
歴史あるパートナーシップ
今回の取り組みに関し、ルオンゴ総司令官は以下のように述べている。
「カラビニエリとステランティスのパートナーシップは、イタリア自動車産業の卓越性と、私たちの運用体制の効率性を結びつけるだけではなく、社会に貢献するという共同の理念に基づいた新の協働を意味します」

「これらのモデルの高い信頼性は、人命救助という崇高な任務を遂行するうえで欠かせないものです。」
マセラティ車がカラビニエリで導入されるのは今回が初めてとなるが、アルファ・ロメオは第二次世界大戦直後よりカラビニエリと協力体制を築いてきた。
カラビニエリに最初に配備されたアルファ・ロメオは、1951年の軍用車両『1900M(通称マッタ)』であった。
1952年には『1900』セダンが通称『ガッツェッラ(ガゼル)』として初めて緊急出動車両に指定、その後も1960年代の『ジュリア』をはじめ『アルフェッタ』、『90』、『75』、『155』、『156』、『159』と『ジュリア・クアドリフォリオ』にいたる歴代のモデルが、カラビニエリに採用されてきた実績を持つ。
今回の特別な納車は、ステランティスとカラビニエリの強固なパートナーシップを示すものであり、ステランティスグループの高い技術力と品質が、公共の安全や法執行の支援にとどまらず、カラビニエリの幅広い任務を支えていることを示すものである。





















