【クラスに生じる激しい競争】BMW iX 試作車の助手席に同乗 航続600km 総合523ps 後編

公開 : 2021.06.05 19:05

2021年後半の発売を前に、BMW最新の純EVへ同乗した英国編集部。未来的なデザインや質感の良い走りなど、競争力の高さを感じ取ったようです。

システム総合で523psと77.8kg-m

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最新のBMW iXのステアリングホイールは、丸というより六角形に近い。車内は広々としていて、未来的な空気感に溢れている。

現行のBMW X5の開発も主導したディレクターのヨハン・キスラーは、当初はこのデザインに懐疑的だったそうだ。「少し奇妙に見え、最初はあまり好きとはいえませんでした。しかし実際は使いやすく、新世代のデザインに合っていると思います」

BMW iX プロトタイプ
BMW iX プロトタイプ

細部に至るまで、すべてが洗練されている。唯一、大きなモニターパネルを支えるプラスティック製のマウントが、少し安っぽく見えるくらい。

センターコンソールの前部には、ギアセレクターとiドライブのコントローラーが付く。オプションで、クリスタルガラス製に変えることもできるという。

iX 50 xドライブに積まれる駆動系は、純EV4ドアサルーンのi4 M50 xDriveと共通。フロントのモーターは258ps、リアのモーターは312psを発揮し、システム総合での最高出力は523psとなる。システム総合での最大トルクは77.8kg-mもある。

走りの印象は、市街地ではとても滑らかで上質。鋭く頼もしい動的性能を獲得しているようだ。

iX3と同様に、ドライブモードにはDとBの2段階がある。Dはアクセルオフで長い惰性走行が許され、Bでは回生ブレーキが積極的に介入し減速する。とてもスマートに、速度を制御できていた。

力強い瞬発力と静寂な巡航走行

タイヤ4本へ知的に駆動力を分配する四輪駆動システムのおかげで、発進時の加速力はガソリンターボのX5 M50i並みに力強い。運転好きなドライバーも納得の瞬発力がある。それでいて、驚くほど静かでもある。

中間加速もかなり強烈。低速域で走行中にアクセルペダルを踏み込むと、駆動用モーターが余力を一気に解き放ち、乗員はシートの背もたれへ押し付けられる。

BMW iX プロトタイプ
BMW iX プロトタイプ

BMWによれば、0-100km/h加速は4.6秒。X5 M50iと比べると、0.3秒だけ遅い。最高速度は、199km/hに制限されている。

ライバルモデルと比べてみると、アウディeトロン 55クワトロでは、ツインモーターの四輪駆動で407psと57.1kg-m。0-100km/h加速を5.7秒でこなし、最高速度は同じ199km/hとなる。

ドイツのアウトバーンを少し走れば、iXが与える静寂な巡航走行に唸らされる。フル加速時は電気モーターから小さな唸り声が聞こえてくるものの、ハーフスロットル時はいたって静か。

高速域で耳に届くのは、フロントガラス上部やドアミラー周辺から発生する、風切り音くらいだった。

iX 50 xドライブでさらに注目すべきは操縦性。プラットフォームの低い位置にバッテリーを積むことで、重心高は低い。スポーツ・モードを選択すると、抑制の効いた姿勢を保って進行方向を変え、コーナーでのグリップ力も相当に高い。

バランスに優れレスポンスも良く、足取りは終始安定しているようだった。

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