他の追従を許さない実力派 BMW iX xドライブ60(2) 快適性と操縦性はクラストップ
公開 : 2025.09.02 19:10
3年目のアップデートで航続距離が伸びたiX M70は659psへ 開放的で高級ラウンジのような車内 自然で漸進的なアクセルに滑らかなブレーキ 他の追従を許さない実力派 UK編集部が試乗
もくじ
ー自然で漸進的なアクセル 滑らかなブレーキ
ー上級SUVへ相応しい快適性と洗練度
ー操る充足感 群を抜くダイナミックさのM70
ー他の追従を許さないオールラウンダー
ーBMW iX xドライブ60 Mスポーツ(英国仕様)のスペック
自然で漸進的なアクセル 滑らかなブレーキ
3年目のアップデートを受けたBMW iX。ミドルグレードのxドライブ60は、増えた車重を20psの増強で補い、0-100km/h加速は0.2秒縮めた4.4秒でこなす。右足を倒しきれば、標準のドライブモードでも本来の543psを引き出せる。
xドライブ45は、英国仕様では最も非力だが、遅いわけではない。高速道路の速度域に達しても、加速力は鈍らない。どちらも、アクセルペダルのフィーリングに優れ、自然で漸進的にパワーを召喚できる。

ブレーキはバイワイヤシステムで、制動力の立ち上がりはリムジンのように滑らか。踏み心地も丁度良く、狙った減速を得やすい。制動距離は、ドライでもウェットでもクラスの平均程度。競合の電動SUV、ポールスター3の方が短い距離で止まれるようだ。
回生ブレーキの効きは、タッチモニターで3段階から選べる。惰性走行には対応しないが、シフトセレクターでBを選択すると、ワンペダルドライブが可能になる。
上級SUVへ相応しい快適性と洗練度
2025年仕様の改良で、iXはスプリングとダンパー、リアアクスルのサポートベアリングがリフレッシュされた。以前から乗り心地は褒められたが、座り心地の良いシートと相まって、上級SUVへ相応しい快適性を実現している。
サスペンションは、セルフレベリング機能付きのエアサスが、後ろへ組まれるのが標準。試乗車には、前もエアスプリングを得る、アダプティブサスが装備されていた。車高は高いが、程よく引き締まった姿勢制御で、不快な浮遊感は伴わなかった。

高速道路での静寂性は、オプションのアコースティック・ガラスの効果で驚くほど。22インチという大径ホイールを履いていても、走りの洗練度は非常に高い。
操縦性もクラス最高峰。エアサスをスポーティに設定しても、車重は隠しきれないものの、コーナリングは落ち着いていて滑らか。正確に大きなBMWを導ける。
操る充足感 群を抜くダイナミックさのM70
ステアリングはロックトゥロックが2.5回転と、速すぎず遅すぎず。直進安定性が高いのと同時に、狭い駐車場では取り回しも良い。ステアリングホイールは適度な重さで、オイルの中を動くようにスムーズ。操る充足感へ繋がっている。
試乗車には後輪操舵システムが組まれていたが、テストコースのワインディングを攻めても、挙動は予想通り頼もしいもの。ボディは多少傾くが、リアアクスル主体のパワーデリバリーを感じることができる。

トップグレードのiX M70には、M部門謹製のアダプティブ・エアサスペンションが奢られる。巧みなチューニングで、車重を手中に収めつつ、SUVとして高い一体感を叶えている。四輪駆動システムも専用設定で、それ以外のiXと一線を画す敏捷性を宿す。
電動SUVとして、走りのダイナミックさは群を抜いている。乗り心地は硬めながら、酷く傷んだ舗装意外は充分に穏やかだ。










































































































































































