まさに走る高級ラウンジ BMW iX xドライブ60(1) 最長685km アプデ後の有能ハードを確認
公開 : 2025.09.02 19:05
3年目のアップデートで航続距離が伸びたiX M70は659psへ 開放的で高級ラウンジのような車内 自然で漸進的なアクセルに滑らかなブレーキ 他の追従を許さない実力派 UK編集部が試乗
現在のBMWでは唯一、EVとしての独立設計
BMWのバッテリーEVとして、先陣を切ったi3。生産は数年前に終了したが、先進的な構造の小さな傑作を、名残り惜しく感じる人は少なくないようだ。目下のラインナップで最も近いDNAを受け継ぐのは、3年目のアップデートを受けたiXだろう。
現在のBMWが擁するEVは、エンジンモデルの兄弟という位置付けにあり、プラットフォームやボディを共有する。ノイエクラッセ世代のiX3で状況は変わるが、それまでの間、2022年発売のiXは唯一、EVとして独立した設計にある。

そのカーボンファイバーとアルミニウムで構成されるプラットフォームは、同社のCLARと互換性も高い。実際、4シリーズや8シリーズと同じ生産ラインで生産されている。
ボンネットが短いプロポーションで、ゆとりある乗員空間を実現。シルエットは、薄目で見ればi3と遠くは違わない。オプションのエアサスペンションと後輪操舵システムを組むと、車重は2637kgと軽くはない。
アップデートで航続距離伸延 M70は659psへ
アップデート後でも、数年前に物議を醸したスタイリングに大きな違いはない。フロントでは、フェイクのエアインテークがスリムに。センサーを内蔵するキドニーグリルは、シンプルな処理へ変化した。見慣れてきた感はあるだろう。
英国では、xドライブ45がエントリーグレードで、7万5405ポンド(約1493万円)から。駆動用バッテリーは23.8kWh増しの94.8kWhとなり、航続距離は170km以上伸びて601kmが主張される。2基の駆動用モーターも強化され、合計で407psを得た。

ミドルグレードがxドライブ60で、バッテリーは3.9kWh拡大の109.1kWhになり、航続距離は685km。インバーターとモーターの効率も改善し、総合543psを得ている。
トップグレードはiX M70。システム総合での最高出力は、従来のM60から40ps増しの659psへ上昇し、航続距離は589kmが主張される。急速充電は最大200kWまで。実際は、150kW程度で安定するようだが。
開放的で高級ラウンジのような車内
インテリアは、実際に押せるハードボタンが大幅に減り、ワイドモニターが据えられた、現在のBMWの起源といえるデザイン。モダンな見た目だがメニュー構造は少し複雑で、エアコンの操作も集約されており、使い勝手が良いわけではない。
とはいえ、最新のバージョン8.5ではショートカットメニューが増え、ホーム画面のカスタマイズ範囲が広げられた。カーナビも扱いやすい。スワイプやタップの回数が多く感じられることに、変わりないが。

ハイテク感漂うデザインは、開放的でラウンジのような空間が広がる、iXとの相性が良い。内装の素材は、価格にふさわしい上質感がある。目新しい素材も指定できるが、試乗車は馴染み深いグレー・レザーで仕立てられていた。










































































































































































